スモールライト

藤子・F・不二雄先生の空想をかきたてる題材だったのか、物体の大きさを変えるひみつ道具はいくつもあります。中でも“スモールライト”は繰り返し登場して、ついには大長編『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』という大騒動を巻き起こしました。

定番のひみつ道具なだけにいろいろな使い道がありそうなスモールライト。さて、もらったらどうしましょうか。

機能と効果

スモールライトは、物体を小さくできるひみつ道具です。懐中電灯の形をしており、物体を小さくする光線と、元に戻す解除光線が出せます。

物体の一部に光線を当てるだけで対象物全体にまんべんなく効果が及ぶので、形のバランスが崩れてしまうことはありません。人に照射した場合は着ている服や身に着けているものも同じ割合で小さくなるなど、とても都合よくできています。

小さくしたゾウをドラえもんが片手で軽々と持ち上げたりしている作中の描写から、大きさと同時に質量も小さくなっていることがうかがい知れます。

解除光線を当てるか、効果時間を過ぎると元の大きさに戻ります。スモールライトの効果に制限時間があることは、大長編『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』で明らかになりました。その時間はおよそ3日間です。

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著者:
藤子・F・不二雄
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(ちなみに、スモールライトが初登場した原作エピソード「ぞうとおじさん」でも、元の大きさには自然と戻ることが示唆されています。類似する“ガリバートンネル”には制限時間がありません)

有用性: ★★★☆☆

物体を小さく、そして軽くできるスモールライトを用いれば、あらゆるものを省スペースに収められます。ただし制限時間上、長期間の収納には向いていません。引っ越しや旅行など、一時的に収納して持ち運ぶときに活躍するでしょう。

引っ越しでは業者に頼まずとも一人ですべての荷物を運搬できるし、旅行では荷物を預けずに飛行機に乗れるから気楽な上にロストバゲージ(航空会社に預けた荷物が空港で行方不明になること)とも無縁です。

ベッドや冷蔵庫などの大きくて重い家具を軽々と移動させられる効力は、部屋の模様替えでも役立ちます。かように荷物を持ち運ぶときはいつでもスモールライトの出番です。

しかし、こと収納や運搬に関しては“四次元ポケット”が究極の使い勝手を誇ります。スモールライトの優位性は、物品だけではなく人間も小さくできる点です。

自分が小さくなると、相対的にすべてが大きくなります。これを活用してドラえもんたちは、好きな食べ物をお腹いっぱい食べたり、牛乳風呂に入ったり(少量で足りるので安上がり)、ラジコンに乗ったりしました。

食べ物は食感の変化で味が落ちるだろうけど、それは大事の前の小事。だって、なんだか楽しそうなのは間違いないのだから。こびとになれば身近な物事が体験したことのない娯楽に変わるでしょう。

また、人を小さくすることで無力化できるので、護身にも使えます。

危険性: ★★★★☆

ものによっては、小さくすると破損しやすくなるかもしれません。取り扱いには注意が必要でしょう。また、小さくし過ぎると紛失しやすくもなります。

自分を小さくするときは、こびとにとって脅威となるものがないか、事前に周囲の状況を念入りに確認するべきです。ペットに咬まれでもしたら、ただでは済みません。

こびとのまま不用意に外出すると、カラスについばまれてしまうかも。子ネコを襲うカラスのことですから、こびとも見逃しはしないはず。カラスに目をつけられたが最後、目も当てられない惨劇となるでしょう。

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悪用度: ★★★★★

物品を小さくすれば盗難が容易になります。今やあらゆる場所に防犯カメラが設置されていますが、街頭にはまだまだ死角があります。車やバイクの盗難もスモールライトならお手の物。とはいえ、堅気は盗難車を売るルートなんて知りませんけど。

非道なのは人に使うこと。こびとにしてしまえば抵抗できないし、人目につかずに拉致できます。神隠しだといわれるでしょう。そのまま踏み潰すなんていう世にも恐ろしいことも……。スモールライトはえらく物騒なひみつ道具です。

秘匿性: ★★☆☆☆

懐中電灯を模してるものの、配色と形状が特徴的なので、一目でスモールライトだとわかる人は多いでしょう。もちろんキャラクターグッズだと思うはずですが、興味本位でライトを点けられたら本物だとすぐにバレてしまいます。

スモールライトを知らない人でも、その劇的な効果を目にすればそれが超常的な存在であることはいやでも見抜けます。どこで誰が見てるかわかりません。有名なひみつ道具なだけに、秘匿性を保つには慎重さが求められるでしょう。

革命度: ★★★★★

「物体を小さくする技術」というアイデアは昔から物語で重宝されてきました。古典では、映画『ミクロの決死圏』などが有名です。

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作家ジュール・ヴェルヌは「人が想像できることは、人が必ず実現できる」と述べました(1)が、科学技術の発展は思いのほか遅く、「物体を小さくする技術」が実現するまでには気の遠くなる程の時間が掛かりそうです。

それどころか本当に実現するかどうかすら現時点では疑わしい技術なのだから、スモールライトの革命性には疑いの余地がありません。

では、スモールライトが解析されて量産化されたら、世界はどう変わるでしょう。

こびとは通常の人間に比べて消費する食糧やエネルギーなどが少なく済みます。限りあるエネルギー資源を食いつぶしながらこのまま人口が増えていけば、「人類こびと化計画」が発動される、なんていう漫画めいたことになるかもしれません。

未来には、超富裕層だけが元の大きさでいることが許され、こびととの絶対的な格差が生まれたディストピアが待ち受けているのだ!

おっと、妄想しすぎました。どうなるにせよ、危険性と悪用性が高すぎるスモールライトの所持が一般人に許されることはないでしょう。

(1)諸説あり。確実に述べたという証拠はないそうです。

まとめ

ドラえもんたちがスモールライトを気軽に使えるのは、ほかのひみつ道具によって安全が担保されているから。スモールライトだけでは危なっかしくて使い難そうです。

魅力的だけども、「ひみつ道具を一つだけもらえるとしたら」という条件には不向きかなあ。とうわけで、スモールライトの欲しい度は星2つです。

道具名称:
スモールライト
原作初出:
コミックス第5巻「ぞうとおじさん」
カテゴリ:
「す」から始まるもの / コミックス第5巻 / ライト / 大きさ / 定番 / 悪用
公開日:
2014年12月02日
更新日:
2016年09月28日

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