のび太が持っているレアな切手をしずかちゃんに自慢したいのに、部屋のどこを探しても見つかりません。ドラえもんに聞いてみると、なんでもほったらかしておくからだと説教が始まりました。
ところがその切手は座っているドラえもんのお尻の下にあったのです! そこでドラえもんがおわびとしてのび太に貸したひみつ道具が「モノモース」です。
ドラえもんの「モノモース」は、物が物申すようになるスプレーです。これを吹きかけられた物は、まるで意思をもっているかのごとく話すようになります。
この効果が現れた物には一種の記憶があるようで、「モノモース」を吹きかけられるより前に起こった出来事の話もします。
物を話せるようにすることの利点って? ドラえもんはというと、「モノモース」を使った物は呼びかければ返事をする点に注目しました。
のび太が部屋を散らかして、なにがどこにあるのか見失っても、捜し物を呼べば簡単に見つけられるわけです。なるほど!
ところが「モノモース」が効くと返事をするばかりか好き勝手に放言するものだから、のび太はうんざりしちゃいました。
それならいっそ話し相手にすればいい。はなから会話が目的なら、「騒がしさ」も「にぎやかさ」に。一人暮らしの寂しがり屋のお供にどうぞ。
物との会話なら音声対話型AIで十分だよね
それはそう
ChatGPTが登場してからAIは急激に進歩を遂げ、今では音声で自然な会話ができるまでになりました。それでも「モノモース」ならではの利点、物の記憶は音声対話型AIには真似できません。
物の周りで起こった出来事をすべて覚えているのだとしたら[1]、すごい事です。子供のころから愛用している物に使えば、幼なじみのような旧知の仲として、かけがいのない友達になれるかもしれません。
「モノモース」による物の記憶に関してはドラえもんによる説明がなかったので詳細は不明です。
「モノモース」が効いた物はとてもおしゃべりで、口が軽い。聞かれてもないことをベラベラ話すから、あなたの秘密を誰かにバラしちゃうかも!
人に知られたくない隠し事の現場に居合わせた物に「モノモース」を使うのは避けたほうが身のためでしょう。
あなたの秘密が「モノモース」のせいで人にバレるかもしれない。逆に言えば、人の秘密を「モノモース」で聞き出せるわけです。個人の秘密だけではなく、ことによっては企業の社外秘まで知ることができるかも。
これは盗聴器を仕掛けるのと同じようなものです。「モノモース」による情報搾取を現行法で立件できるかは微妙なところとはいえ、悪行であることに変わりありません。
「人の口に戸は立てられぬ」と言います。おしゃべりな「モノモース」の口にも戸は立てられないでしょう。持ち主である自分が秘密を守るだけでは事足りない、なんとも困ったひみつ道具です。
「サイコメトリー」と呼ばれる超能力があります。
人の思い考えたことが物や場所に残りとどまったもの。
残留思念を読み取る能力。
サイコメトリーの使い手。
サイコメトリーが活躍する分野といえば犯罪捜査です。犯行現場や証拠品から残留思念を読み取って事件を解決! というわけです。
物の記憶と残留思念は似たようなもの。事件の目撃者ならぬ目撃物の話を聞けば、真相にぐっと近づけます。未解決事件の数々を「モノモース」で解決できるかもしれません。
そして、もしも物の記憶が数千年、数万年と保持されているとしたら……。歴史的で貴重な遺物に「モノモース」を使えば、知られざる人類史、ひいては地球史が明らかになることでしょう。
この「モノモース」は「物が物申す」なんてダジャレ発想のひみつ道具ながら、物の記憶によっては歴史的な新発見も!? なんていう掘り出し物です。
とはいえ、だれがどう使っても人生が豊かになるようなスペシャルなものではなく、使いどころは限定的。
というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、「モノモース」の優先度は星
つです。