ドラえもんの天敵といえばネズミです。一目その姿を見ただけでパニックに陥るほど嫌っていて、あまりの怖さにとんでもない行動をとることすらあります。中でも一番常軌を逸したときに使おうとしたひみつ道具が“地球はかいばくだん”です。
地球はかいばくだんは、ネズミ怖さにおかしくなったドラえもんが取り出したひみつ道具です。
結局使われることはなかったため、その機能は不明です。公式ガイドブックの『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』にも機能は書かれていません。
「地球破壊爆弾」という文字どおりの代物ならばこれは地球を破壊する爆弾です。しかし一般ロボットのドラえもんが、世界を終わらせられるほどの爆弾を入手できるのでしょうか。
なにせドラえもんは子守用ロボットだから、“独裁スイッチ”と同様に実害はなく、教訓を得るための学習材であると考えたほうが穏当です。
これを取り出したときドラえもんは恐慌状態でした。状況に見合わないひみつ道具であっても説明がつきます。
一方、『ドラえもん』には“悪魔のパスポート”や“のろいのカメラ”のような真に邪悪なひみつ道具も登場します。地球はかいばくだんが正真正銘の大量破壊兵器である可能性も否定できません。
鬼が出るか蛇が出るか、ドラえもんのみぞ知ります。
いったいなにが起こるのか。それは地球はかいばくだんを起爆してみて初めてわかります。もしかしたら本当に地球が滅亡するかもしれません。そのリスクに見合うリターンなんて考えられないのだから、起爆するのは勝ち目のないギャンブルです。
結果、地球はかいばくだんが教訓が得られるひみつ道具だったとしても、お膳立てが悪趣味過ぎて有用とはいえないでしょう。
人類、ひいては地球が滅亡する恐れがあります。
地球はかいばくだんが実際に地球を破壊する爆弾だとしたら、これを起爆するのは許されざる所業です。
教訓を得るための教育用ひみつ道具であったなら、悪用方法はないでしょう。
地球ごと人類が滅亡すれば、記録も記憶もすべて消滅します。ある意味、完璧な秘匿性です。
教育用ひみつ道具だった場合は、その工程しだいで秘匿性は変わります。
地球を破壊できるにせよ教訓が得られるにせよ、革命的な機能だとは思えません。
地球はかいばくだんを起爆するとどうなるのか興味がわくけれど、だからといって数あるひみつ道具の中からわざわざこれを選ぶのは物好きが過ぎます。
もしも「人類が滅亡すればいい」と思っていたとしても、その感情に至らしめた状況を打開するひみつ道具がほかにあるはずです。
というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、地球はかいばくだんの優先度は星世界を壊したい」入りです。
つ。願望別選別「