E・S・P訓練ボックス

理不尽な理由でジャイアンが同級生を殴った様子をのび太は見ていたのに、自分が殴られるのが怖くて、「ジャイアンが正しい」と屈してしまいました。心にもないことを言ってしまったのび太は「正義を守るにも力がいる」と悟ります。

そこでドラえもんがのび太に貸し与えたひみつ道具が“E・S・P(エスパー)訓練ボックス”でした。

名称

「ESP」とは「Extrasensory perception」の省略形です。人が持つ五感を超える理屈では説明のつかない知覚のことで、いわゆる「第六感(シックスセンス)」です。

「エスパー」とは、ESPに「する人」を表す接尾辞の「er」をつけた言葉です。こちらは第六感に限らず超能力を行使する人を表すSF用語で「超能力者」の同義語です。

機能と効果

ドラえもんのE・S・P訓練ボックスは、3種類の超能力、念力・透視・瞬間移動を会得するための訓練を積めるひみつ道具です。この小箱に向かって、それぞれの超能力を使うイメージを強く思い描くと、徐々にその力が身についていきます。

早ければ訓練初日から超能力が使えるようになるものの、初めのうちはとても不安定で満足にコントロールできません。超能力を自由自在に使いこなせる一人前の超能力者になるまでには、毎日3時間ずつ訓練して3年かかります。

作中でのび太がおぼつかないなりに超能力を会得したのに、以降のエピソードで超能力を一度も使ったことがないことから、継続的に訓練しないとその力は失われると推定されます。

ちなみにE・S・P訓練ボックスで会得できる瞬間移動は、自分自身を転移させることも、特定の物体だけを転移させることも可能なタイプです。

有用性: ★★★★★

E・S・P訓練ボックスで使えるようになる超能力は、念力は“タケコプター”(自分の体を飛ばす)、透視は“透視メガネ”、瞬間移動は“どこでもドア”、といった具合に各種のひみつ道具と同様の効果が得られます。

しかも念力と瞬間移動を自分の体以外に使えばさらに広い用途が見込めるのだから、「ドラえもんのひみつ道具を一つだけもらえる」という条件下では特に有利です。

そして「超能力者になれる」ということは、それ自体に格別の価値があります。少年漫画やアメコミに登場する、特殊能力を駆使して活躍するキャラクターたち。彼らのような「特別な存在」になりたかった人はきっと多いはず。

たとえ子供じみた憧れだとしても、ばかにできません。その夢を実現することで自己肯定感が覚えられることに違いはないでしょう。これはE・S・P訓練ボックスの特筆すべき利点です。

E・S・P訓練ボックスのデメリットは、3年間の労力を要すること。結局のび太は1日でめげてしまって、超能力者にはなれませんでした。確かにのび太の年の頃は3年が永遠のように長く思えたものでした。

けれどなにか技能、たとえば語学や楽器などを習得する期間として考えれば、3年なんて大したことありません。超能力という特別な技能の習得期間としては短いくらいでしょう。超能力者になれるメリットの前では、さしたる問題になりません。

危険性: ★★★★☆

超能力を完全に自分のものにするまでは、当然ミスが相次ぐでしょう。効力が効力ですから、「ミスっちゃった!てへっ」では済まない事態になる恐れがあります。

特に瞬間移動は転移させた物体と行方しだいでは死人が出ます。それだけ危険な力であることをゆめゆめ忘れてはいけません。瞬間移動の訓練は覚悟して臨みましょう。

瞬間移動を極めてからも、事前に視認できない場所へ転移する(させる)ときは常に高いリスクがつきまといます。遠方へ移動したいときでも、一気に飛ばずに、視認できる距離の瞬間移動を繰り返したほうが身のためです。

また、正真正銘の強力な超能力者であることが世間にバレた場合、人々がどのような反応を示すかわかったもんじゃないでしょう。迫害を受ける羽目になる、なんてのもあり得る話です。

悪用度: ★★★★★

人体の仕組みを熟知していれば、念力を用いて心筋梗塞を起こさせられるでしょう。ホームドアのない駅のホームや、高所から人を突き落とすのも雑作ないこと。念力という超常現象の存在を証明できない限り、犯行もまた証明できません。

瞬間移動で建物に侵入して、金庫の構造を透視で確認して、念力で鍵を開けて……。とにかくあらゆる犯罪行為に使えます。

ちなみに、のび太はしずかちゃんの裸を(図らずも)透視しましたが、それもまた卑劣な行為です。

秘匿性: ★★★☆☆

まず透視は性質上、使用者しか効果を視認できないので、人に知られようがない超能力です。

しかし念力と瞬間移動は、はた目にも超常現象が起きていることが明白です。その現象を引き起こしている超能力者がいるとはすぐに気づかれないとしても、人目につく使い方は控えるべきでしょう。

もちろん自分の体を念力で浮かせたり瞬間移動したりする様を目撃されるのはもってのほか。さすがにこの場合は言い訳が効かないかもしれません。

ただし超能力者であることがバレても、そこからE・S・P訓練ボックスの存在に思い当たる人はごくまれでしょう。

革命度: ★★★★☆

強力な超能力者は「進化を遂げた人類」といっても過言ではありません。E・S・P訓練ボックスは、『2001年宇宙の旅』のモノリスに匹敵する存在であり、SFの「人類の次なる進化は人為的にもたらされる」という着想を体現します。

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監督:
スタンリー・キューブリック
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評価:
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まとめ

ご多分に洩れず子供のころは特殊能力者に憧れた口でした。その願望は大人になった今でも心のどこかにに残っています。特殊能力で具体的になにかをしたいというよりも、純粋にただ特殊能力者になりたい。

超能力者になれるなら、3年間の訓練なんて苦にもなりません。子供じみていると笑われても結構。というわけで、E・S・P訓練ボックスの欲しい度は星4.5つ。当ブログ的ドラえもんのひみつ道具で欲しいものランキング入りです。

道具名称:
E・S・P訓練ボックス
原作初出:
コミックス第27巻「10分おくれのエスパー」
カテゴリ:
「え」から始まるもの / コミックス第27巻 / 移動 / 能力 / 透視 / 飛行
公開日:
2016年01月17日
更新日:
2017年10月11日

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