フエール銀行

お年玉を無駄遣いしてしまったのび太はどれだけ後悔してもしきれませんそんなのび太の反省している様子を見たドラえもんは、貯金のありがたさを身をもって知ってもらうべく、ひみつ道具の“フエール銀行”をのび太に貸してあげました。

機能と効果

ドラえもんのフエール銀行は、1時間ごとに利息がつく、未来の銀行の携帯型ATMです1時間あたりの金利は、普通預金なら10%、1か月定期預金なら20%、1年定期預金なら50%で、融資だと20%です。

各種手続きは窓口の前にお金を置いたり、音声で指示したりして行います。なんらかの生体認証で個人を特定しているらしく、身分証明書や印鑑などは不要です。

利用上の注意点は、定期預金は中途解約ができないこと。また融資の利子を支払えないと、強制的に所有物が差し押さえられることです差し押さえられた物品は空間を超えて「パッ」と消えてしまうので、逃れるすべはありません。

万全のセキュリティ対策が施されており、不正にお金を取り出そうなどすると、強力な電気ショックで撃退されます。

有用性: ★★★★☆

フエール銀行の1年定期預金は1時間ごとに1.5倍に増えていきます。いったい1年後の満期日にどれだけの金額になるのか、計算するのも面倒なくらい途方もない利率です。雪だるま式に増えるから普通預金だって十分過ぎます。

問題は利息として受け取るお金の正当性です。フエール銀行は文字どおり「銀行」であり、融資で利息を得て運営していると推測されます。つまり「きれいなお金」なわけです。

しかしながらフエール銀行本社は現代にはまだ存在しない未来の銀行です。そして利息(利子所得)は課税対象で源泉徴収されます。

時間を超えて取り引きしている口座から源泉徴収された税金はいつどこへいくのか、そもそも源泉徴収されているのか、フエール銀行はこの税金周りが不透明です理屈から考えれば、すくなくとも現代の日本の国税庁には収めていないでしょう。

当サイトは航時法およびタイムパトロールを度外視しています(1)。しかし現代の国税庁についてはそうはいきません。

大金を手に入れたからといって、いきなり一軒家を新築したり億ションを購入したりすれば税務調査を免れないでしょう。

調査員に「フエール銀行の利息です」なんて言っても認められないのはもとより、経済を破綻させる力を持つフエール銀行の存在を――未来の世界ではなんらかの施策で経済のバランスを保っているようですが――明かすわけにはいきません。

出所不明のお金は脱税や犯罪を疑われるものです。フエール銀行をもらっても、結局お上に目をつけられない範囲でしかお金を使えません。どのみち経済に影響を及ぼすわけにはいかない以上、はなから節度は必要です。

節度を厳しく守れば、フエール銀行は間違いなく有用です。不労所得の是非? それには目をつぶりましょう。

(1)ひみつ道具を我々が暮らすこの時代に届けること自体が航時法に抵触していると推測されるため、当サイトの「もしもドラえもんのひみつ道具を一つだけもらえるなら」という前提が成り立たなくなってしまうのが理由です。

危険性: ★★☆☆☆

前述したように、派手にお金を使うと税務署や警察にあらぬ疑いをかけられるおそれがあります。

また、フエール銀行の融資は闇金も真っ青の高利貸しです。たとえ少額だとしても借りるのは正気の沙汰とは思えません。

一番の危険性として挙げられるハイパーインフレについては、個人で使う分には心配するまでもないでしょう。むしろハイパーインフレになるほどの貨幣を一人だけで、なおかつ当局に目をつけられずに流通させるのは困難を極めるはずです。

悪用度: ★★★☆☆

あえて厳正にジャッジするならば、現代でフエール銀行の利息を得ると、結果的に脱税したことになります。

秘匿性: ★★★☆☆

2018年から預金口座とマイナンバーをひもづける付番が開始されました。今は任意だけれど、将来的には義務化される見込みです。

マイナンバーによる管理が広がっていく今後は、フエール銀行で手に入れるお金の運用により一層の慎重さが求められます。

そうでなくても、派手にお金を使うと多方面から注目を集めてしまいます。散財はほどほどにしたほうが身のためでしょう。

また、フエール銀行はかなり柔軟な音声対話機能を備えています。フエール銀行を見た人が「なにこれ?」と言ったら、懇切丁寧に説明し始めるかもしれないので、決して人前に出してはいけません。

革命度: ★★★★☆

ドラえもんがのび太のパパのボーナスを増やすために全額を定期預金に預けてから“タイムマシン”で100年後へ行って、100年分の利子ごとおろして戻ってくるという荒業を使ったことがあります(2)

そういった時間の飛躍が関係していると考えると、フエール銀行の異常な高金利も納得がいきます。

フエール銀行はタイムマシンが普及した22世紀ならではのひみつ道具というわけです。タイムマシンがまだ存在しない現代においては、貨幣経済を揺るがしかねない存在と化します。

(2)てんとう虫コミックス『ドラえもん』第3巻「ボーナス1024倍」にて。

まとめ

よく聞く「本当に大切なものはお金で買えない」という理念が真実だとしても、お金が卑しい存在だとは限りませんお金で買えないものをお金で買おうとする行為が卑しいのであって、お金自体には聖も俗もないでしょう。

お金で買えるものは、裏を返せば、お金がなければ手に入れられないものです。そして日用品の大半はお金で買えるものなのだから、実際のところお金の多寡が暮らしの充実感を左右するのは否定しがたい事柄です。

マイナンバーが施行された今となっては、現実で得られるはずのないお金を好き放題に運用するわけにはいかなくなりましたが、これは身の丈に合った節度ある使い方を迫られるだけの話。

なんのかんのいってお金はやっぱり欲しいよねというわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、フエール銀行の優先度は星4つ。当サイトの欲しいひみつ道具ランキングにランクインです。

道具名称:
フエール銀行
原作初出:
コミックス第30巻「フエール銀行」
カテゴリ:
「ふ」から始まるもの / お金 / コミックス第30巻 / 人気
公開日:
2016年01月24日
更新日:
2018年07月28日

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