ドラえもんのひみつ道具で実現したもの

ドラえもんの誕生日は2112年9月3日です。漫画『ドラえもん』の連載が始まった1969年から時がたち、ドラえもんが生まれるまであと100年を切りました。

まだまだ「遠い未来」のようでも、「今の赤ちゃんが長生きすればドラえもんの誕生に立ち会えるかも」と考えれば「近い将来」です。

それだけに少しずつ、ひみつ道具が実現し始めています。そこで「これは!」というものをいくつか紹介します。

トレーサーバッジ

ドラえもんの“トレーサーバッジ”は、位置情報を把握する機器です。

これはもう一目瞭然、タブレットPCとGPS追跡タグそのもの! タッチパネルじゃなくて物理ボタンで操作するあたりはむしろ古めかしさすら感じさせます。

数あるひみつ道具の中で、もっとも完全な形で実現したものでしょう。

タブレットPCなんて影も形もなかった時代にこれを発想した藤子・F・不二雄先生の先見の明に驚かされます。

もちせいぞうマシン

ひみつ道具の“もちせいぞうマシン”は、もち米のイネから全自動で餅を作る機械です。

今や餅つき機はありふれた家電です。それらで脱穀はできないけれど、単純にニーズの問題です。電動脱穀機だってとうの昔に実現しています。

パンを作るホームベーカリーにすら餅がつけるタイプのある今となっては、もちせいぞうマシンはもはや時代遅れです。

ちなみにドラえもんが現代に来たての頃は、お餅が好物でした。どら焼きが好物になったのは、しばらくたってからのことです。

インスタント旅行カメラ

ドラえもんの“インスタント旅行カメラ”は、背景と人物を合成して、あたかも旅先で撮影したような見せかけの写真を作れるカメラです。

画像を処理する技術も、それを自動化するAIも、日々進歩し続けています。静止画どころか動画の人物と背景をリアルタイムに切り分けられる時代です。

インスタント旅行カメラは時代遅れを通り越して、一周回って新しさを感じさせるレトロフューチャーな魅力のあるひみつ道具です。

無人たんさロケット

周囲の状況を探りながら自律飛行する小型の無人航空機が“無人たんさロケット”ですそう、普通のドローンです。

搭載されているカメラは静止画専用だし、その映像を確認するにはいちいちプリントアウトしなきゃいけないし、ドローンとしても型落ち感が否めません。

ただし我々人類がまだ知らない謎の原理で飛行していると推定されます。この点だけは実現していません。

ようろうおつまみ

ひみつ道具の“ようろうおつまみ”は、ただの水をお酒に変えるおつまみです。

お酒の風味とアルコールを残したまま水分を抜いて粉末にした「粉末酒」が佐藤食品工業によって実現されています。

これをヒョウタン形に成型すれば、ようろうおつまみの出来上がり……のはずだけど、この粉末酒は一般販売されてないので今一つ全貌がつかめません。

疑問は残るものの、実現したひみつ道具の一つとして一応カウントしましょう。

インスタントテレビ局

ドラミちゃんの“インスタントテレビ局”は、自宅のテレビを即席テレビ局にする小さなテレビ塔です。

テレビが娯楽の王様だったのは今は昔。スマホの普及によって、テレビよりネットのほうが身近な存在になりました。

そしてスマホでいつでもどこでも誰だって配信できるようにもなりました。インスタントテレビ局よりさらに一歩進んでいるといっても過言ではありません。

【番外】ほんやくコンニャク

ドラえもんの“ほんやくコンニャク”は、食べるとどんな言語にも通じるようになるコンニャクです。

スマホでリアルタイムに翻訳できるようになったからといって、ほんやくコンニャクが実現したことにはなりませんだって「能力が身につく食べ物」という荒唐無稽な特性こそが大事なんだから。

機械で翻訳するなんてのは当たり前! 「翻訳」の韻を踏めるからコンニャク。そんな馬鹿ばかしさがひみつ道具の魅力です。

製品に合理性が求められる限り、「なんでそんな方法で!?」というひみつ道具が実現されることはないでしょう。

まとめ

ほんやくコンニャクのように代わりとなる技術が実現したひみつ道具はいくつもあるけれど、トレーサーバッジみたいに「そのままの形」で実現したものはごく限られます。

ひみつ道具の大半は機能の実装方法がとてもキテレツだから、それも当然。完全に一致するものは今後もそうそう作れないでしょう。

連載開始から55年たった現在も『ドラえもん』が時代と並走しているのは、そんなキテレツさのおかげかもしれません。

SFはSFでも「サイエンスフィクション」じゃなくて、「すこしふしぎSukoshi Fushigi)」。藤子・F・不二雄先生が『ドラえもん』に込めた想いは、今もなお輝き続けています。

タイトル:
ドラえもんのひみつ道具で実現したもの
カテゴリ:
雑記
公開日:
2018年04月01日

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