もしも「インスタントテレビ局」をもらったら

同級生の木鳥高夫がテレビに出演したことをやたらと自慢するものだから、のび太らは口をそろえて「羨ましくなんかない」と強がりました。

そうはいっても本当はのび太が羨ましがっている姿を見て、ドラミちゃんが出してあげたひみつ道具が“インスタントテレビ局”です。

名称

原作エピソード「テレビ局をはじめたよ(ドラミちゃん)」には、このひみつ道具の名称が明記されていません。「インスタントテレビ局」という名称はアニメ版です。

また一部媒体では「ミニテレビ局」や「ミニテレビとう」とも呼称されています。

機能と効果

ドラミちゃんのインスタントテレビ局は、自宅のテレビを即席テレビ局にする小さなテレビ塔です。

これとテレビを接触させると、テレビにビデオカメラと放送局の機能が備わります。そして放送エリア内のテレビは、チャンネルを変えてもスイッチを切っても、この放送局を映し続けるようになります。

放送エリアは近所から日本中まで範囲を調節できます。

有用性: ★☆☆☆☆

みんな私を見て!

そんな自己顕示欲をもつ人がいるのは今も昔も変わりません。原作が描かれた当時と一つ違うのは、今やスマホでいつでもどこでも誰だってライブ配信できることです。

強制的に受信させるという炎上待ったなしのインスタントテレビ局を使うより、インスタなりYouTubeなりで配信したほうが無難です。

危険性: ★★★☆☆

インスタントテレビ局が放送しているあいだ、放送エリア内のテレビはほかの局がいっさい映りません。しかもオフ状態のテレビにも未知の力で放送を映します。

これはかなりの怒りを買うことでしょう。顔出し配信するのは無謀です。

悪用度: ★★★☆☆

いわゆる「悪の組織」の宣戦布告はいつだって電波ジャックしたテレビ放送です。

それはさておき、電波ジャックは電波法に抵触する犯罪です。

はたしてインスタントテレビ局が用いているのは電波なのか。それはわかりません。たとえ現代の法律では規定できないテクノロジーだったとしても、犯罪に準ずる行為であることに違いはないでしょう。

秘匿性: ★★★☆☆

インスタントテレビ局が電波を併用していたなら、発信源を特定されてしまいます。未知の力だけでテレビを直接操作していた場合は、現代の知識で探知するのは不可能でしょう。

いずれにせよ、身元のヒントとなる要素が放送に映り込んだらアウトです。テレビ放送を乗っ取るという大胆不敵なことをするからには、細心の注意が求められます。

革命度: ★☆☆☆☆

スマホの普及によって、テレビよりネットのほうが身近な存在になりつつあります。また誰でもネットで動画を配信できるようにもなりました。

そうしてインスタントテレビ局の革新性は失われました。時代に追いつかれた、いや時代に追い抜かれたひみつ道具の一つです。

まとめ

インスタントテレビ局がやっているのは大規模な電波ジャックです。明らかな迷惑行為で、ライブ配信がどうのこうの以前の問題です。

ルールを守って運用するなら既存のネット配信で十分。となればこれを選ぶ理由はないでしょう。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、インスタントテレビ局の優先度は星1つです。

道具名称:
インスタントテレビ局
原作初出:
『ドラえもん』第11巻「テレビ局をはじめたよ(ドラミちゃん)」
カテゴリ:
「い」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第11巻 / ドラミ / 実現
公開日:
2018年03月17日

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