もしも「無人たんさロケット」をもらったら

のび太の暮らす町の外れに、人の住んでいる気配のない家がありました。クラスメイトのあいだで「宇宙人が隠れている家」と噂です。

その噂を信じているジャイアンとスネ夫と、信じていないのび太は、どちらか正しいか賭けました。負けたほうが、げんこつを10発食らわされる約束です。

その家の真実を探るためにドラえもんが取り出したひみつ道具が“無人たんさロケット”です。

機能と効果

ドラえもんの無人たんさロケットは、探査用のドローンです。

周囲の状況を探りながら自律飛行します。カメラは静止画専用で、動画には対応していません。その映像をコントローラーで受信してプリントアウトできます。

推進剤を噴射するのは離陸時だけです。そのあとは噴射しないばかりか音もなく飛行します「ロケット」とはいうものの、我々の知るロケットとはまったく違う、未知の原理で飛行していると推定されます。

有用性: ★★☆☆☆

「遠隔操縦+自立制御で飛行して、画像を撮影する小型の航空機」ってそれ、普通のドローンじゃん!

ドラえもんのひみつ道具は突飛なものが多いから、おいそれとは実現しません。でも例外的に普通な無人たんさロケットは、ほぼほぼ実現、いや、動画を撮影できないあたりはむしろ時代遅れです。

ドラえもんのひみつ道具で実現したもの
ドラえもんの誕生日は2112年9月3日です。漫画『ドラえもん』の連載が始まった1969年から時がた...

残る先進性は「謎のテクノロジーで飛行する」という一点です。そのおかげで静粛性に優れてるし、おそらく宇宙空間でも使えますつまり動画を撮影できるカメラと、その映像を送信する装置を後付けすれば、今あるドローンより先進的になる!?

せっかくのひみつ道具なのに、現代の商品を増設して使うなんて、なんとも興ざめな話です。

危険性: ★★☆☆☆

無人たんさロケットの機体サイズは目測で全長30cmほど。これが上空から墜落して人にぶつかったら、かなりのけがを負わせてしまいます。

無人たんさロケットに限らず、ドローンを飛ばすときは、ルールを守って安全飛行を心がけましょう。

悪用度: ★☆☆☆☆

無人たんさロケットでできることは、既存のホビー向けドローンでもできます。そして今のところホビー向けドローンを用いた大きな犯罪は起こっていません。

軍用の攻撃ドローンならともかく、無人たんさロケット程度の機体性能じゃあ、できる悪事もたかがしれます。

秘匿性: ★★☆☆☆

空飛ぶ円盤、いわゆるUFOがなぜ宇宙人の乗り物だと思われるのか。それは「飛行原理がわからない」からでしょう。

翼もプロペラもない。推進剤を噴射している様子もない。なのに飛んでいる。あれは地球外のテクノロジーに違いない!

無人たんさロケットも離陸時こそ推進剤を噴射するものの、そのあとはなんの動作もなくスウッと飛行します。ぱっと見でもう怪しい。

常識外れの原理で飛行する無人たんさロケットは、とてもじゃないけど人前では使えません。

革命度: ★☆☆☆☆

未知の原理で飛行していようがいまいが、得られる結果は既存のドローンと変わりません。

まとめ

スマホでリアルタイムに翻訳できるようになったからといって、それで“ほんやくコンニャク”が実現したことにはなりませんだって「能力が身につく食べ物」という荒唐無稽な特性こそが大事なんだから。

そんなふうにあえておかしな方法をとるのがひみつ道具のいいところ。でも無人たんさロケットは、「カメラを搭載した小型の無人航空機」というごく当たり前の存在です。

これじゃあ現実的で夢がない。というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、無人たんさロケットの優先度は星1つです。

道具名称:
無人たんさロケット
原作初出:
『ドラえもん』第14巻「宇宙人の家?」
カテゴリ:
「む」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第14巻 / 探索
公開日:
2020年08月24日

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