瞬間移動潜水艦

パパがモーターボートを買ったことをスネ夫がみんなに自慢しています。しずかちゃんとジャイアンを連れてこれから海へ乗りに行くことになったけど、のび太はいつものように仲間外れにされてしまいました。

それを聞いたドラえもんがのび太のために出してあげたひみつ道具が“瞬間移動潜水艦”です。

名称

「瞬間移動潜水艦」という道具名は『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』より。このひみつ道具が登場したエピソード「せん水艦で海へ行こう」(第6巻収録)の作中では、ただ「せん水艦」としか呼称されません。

機能と効果

ドラえもんの瞬間移動潜水艦は、大きさを変えたり、水から水へと瞬間移動したりできる潜水艇です。

乗船定員2名のとてもコンパクトな潜水艇で、それが基本(最大)のサイズとなります。人が乗っていない状態で水から上げると手のひらサイズに縮むので、保管場所に困りません。

水中では周囲の広さに合わせて自動的に伸縮します。その際は乗船者もろとも大きさが変わります。

通常の潜航移動はもちろんのこと、指定した方角にある水をサーチして、そこまで空間を飛び越えて瞬間移動することも可能です。方角以外は瞬間移動潜水艦任せなので、具体的にどこへ瞬間移動するかは飛んでみるまでわかりません。

一回の瞬間移動で届く距離は、「せん水艦で海へ行こう」のドラえもんによると「あんまり遠くの水へはとどかない」とのこと。作中では野比家から南へ向けた8回の瞬間移動で海(でボートに乗っているスネ夫の水筒)に着きました。

東京都練馬区(1)から海までの距離は、南東でおよそ14キロメートル、真南ならおよそ30キロメートルです。本稿では、海まで近い南東へ進んだと仮定して、一回の空間跳躍距離の目安を1.75キロメートルとします。

なお瞬間移動潜水艦における「水」とは、H2Oに限らず液体全般を指します。

潜航可能深度は不明。人体に直接作用する“深海クリーム”でさえ深海10キロメートルに対応しているため、瞬間移動潜水艦はそれよりも深く潜航可能だと思われます。

ちなみに「潜水」とは「戦闘力をもつ軍用の潜水」のことですが、瞬間移動潜水艦は武器を装備していません。また瞬間移動潜水艦は再登場するたびに微妙に性能が変わっています。本稿で参照しているのは初登場したときの性能です。

(1)てんとう虫コミックス『ドラえもん』第15巻に収録された「不幸の手紙同好会」の作中で、スネ夫家の住所が「東京都練馬区月見台すすきヶ原3-10-5」だと明記されています。「月見台」以降は架空の住所です。

ドラえもん (15) (てんとう虫コミックス)
タイプ:
コミック
著者:
藤子・F・不二雄
発売元:
小学館
評価:
Amazonでレビューを見る

有用性: ★★★☆☆

伸縮機能にしろ瞬間移動にしろ、瞬間移動潜水艦の特殊機能は環境に左右されます。思うままに操れないのでは、せっかくの機能も手放しに有用とはいえません。

特に瞬間移動に至っては「方角だけ指定して、あとは運任せ」という、なんともひみつ道具らしい大雑把な仕様です。大海原ならともかく、どこへ飛ぶかまったく予想のつかない市街地で使うのは無謀です。

それに一回の空間跳躍距離はたったの1.75キロメートルです。たとえば千葉県銚子市から太平洋を横断してロサンゼルスまで行くとしたら、じつに5,000回弱もの瞬間移動が必要になります。

離れた空間へ瞬時に移動するなら、やはり“どこでもドア”が安定してます。

たんに水中で活動する潜水艇としては申し分のない働きをしてくれるでしょう。

危険性: ★★★☆☆

瞬間移動する行き先を事前に確認できないのは致命的な欠陥です。瞬間移動潜水艦に乗船したのび太たちは、稼動している洗濯機の中や、熱いお茶の中などへ飛んでしまって、大変な目に遭いました。

もちろん、危険な場所に出てしまっても、またすぐに瞬間移動すれば難なく脱せます。しかしそれすらも間に合わないような極限状態に陥る可能性もゼロではないことを忘れてはいけません。

悪用度: ★☆☆☆☆

瞬間移動潜水艦の悪用方法としては不法侵入が考えられます。さりとて狙った場所へ瞬間移動するのは困難極まりないし、水道管を通って侵入するにしても水道管の経路を完璧に把握してなければたどり着けません。

ほかのひみつ道具を使ったほうが手っ取り早い悪用方法ばかりで、瞬間移動潜水艦ならでは犯行は取り立ててないでしょう。

秘匿性: ★★☆☆☆

飲料水やお風呂など、水は生活と密接な関係にあります。市街地で瞬間移動すれば結構な確率で人前に現れてしまうでしょう。

観客でにぎわう水族館の水槽なんかに出たが最後、一度に大勢の人から目撃されてしまいます。水槽を撮影していたスマホにも映像が残るので、SNSで拡散されるのも時間の問題です。

外洋で瞬間移動する分には、そうそう人目にはつきません。

革命度: ★★★★☆

瞬間移動も物体の大きさを変えるのも、フィクションの世界ではおなじみの要素だけれども、現実世界では実現のメドが立ちません。そのどちらも宇宙の法則に踏み入るであろう革新的な技術です。

同様の機能を持つどこでもドアや“スモールライト”よりも機械的な仕組みで作動していると思われる瞬間移動潜水艦は、しかるべき研究所が解析を行えば仕組みを解明できるかもしれません。その際は紛れもなく歴史的な技術革新が起こるでしょう。

考えられる当然のシナリオとして、弾道ミサイルを装備した原子力潜水艦に瞬間移動潜水艦の技術が転用されるだろうから、それは人類の破滅に一歩近づくような不穏な進歩でもあります。

まとめ

瞬間移動潜水艦は単純に個人ユースの潜水艇として優秀です。その上ひみつ道具ならではの特殊機能まで備わっているのだからお得感があります。深海に興味を持っている人にとってはかなり魅力的なひみつ道具でしょう。

そういった冒険心をくすぐる反面、日常生活においては出番を見いだせずに、もらっても結局ホコリをかぶってしまうかもしれません。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、瞬間移動潜水艦の優先度は星2つです。

道具名称:
瞬間移動潜水艦
原作初出:
コミックス第6巻「せん水艦で海へ行こう」
カテゴリ:
「し」から始まるもの / コミックス第6巻 / 大きさ / 水中 / 移動
公開日:
2016年05月05日
更新日:
2016年05月05日

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