もしも「ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ」をもらったら

家の中じゃ思うように遊べないのに、頼みの綱の空地が資材置き場になって、しばらく使えなくなってしまいました。

遊び場がなくなって、「自由な世界がほしいなあ」と嘆くのび太のためにドラえもんが取り出したひみつ道具の一つが“ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ”です。

名称

名称が長いからか、「ポラロイド」が実在の社名だからか、アニメ版などでは「インスタントミニチュア製造カメラ」と呼称されています。

機能と効果

ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ(以下「ミニチュア製造カメラ」という)は、ミニチュア(縮尺模型)を製造するカメラです本体は空洞の箱状になっていて、撮影した物体のミニチュアが中に出現します。

中央に写した無生物の被写体だけを背景から抜き出してミニチュアにします。生きものや背景のミニチュアは製造されません。

出来上がったミニチュアは、ファインダーに映っていない裏側や中身も再現されているばかりか、その素材までもが被写体と同じです。サイズが小さいこと以外は完璧な複製品だから、食品のミニチュアなら食べられます。

有用性: ★★★☆☆

ミニチュア製造カメラが初登場したエピソード「ゆめの町、ノビタランド」でのび太たちは、建物のミニチュアを片っ端から作って小さな街を作りましたそこへ“ガリバートンネル”でこびとになって訪れれば、自分たちだけの街というわけです。

建物の中身まで全部がミニチュアになっているから、本屋へ行けば漫画を自由に読めるし、和菓子屋へ行けばどら焼きを好きなだけ食べられます。

やりたい放題できる街! まさに夢のような話です。

これがミニチュア製造カメラのもっとも有用な使いかただけど、残念ながら「ひみつ道具を一つだけもらえるとしたら」なのでガリバートンネルは用意できません。

とはいえミニチュア製造カメラ単体でも「ミニチュアを製造できる」という価値は失われません。ミニチュアの愛好者にとっては至上のひみつ道具となるはずです。

ミニチュアが子供向けのおもちゃだと思ったらならとんでもない! 手作りのドールハウス(ミニチュア家具)や、ミニカーの価格を見れば一目瞭然。特別精巧なミニチュアは、大人の趣味なんです。

AUTOart 1/18 トヨタ スプリンター トレノ (AE86) 『頭文字 D』 プロジェクトD ファイナルバージョン 完成品
タイプ:
おもちゃ&ホビー
発売日:
2024年03月31日
発売元:
オートアート(AUTOart)

ミニチュア製造カメラで作るミニチュアは、ドールハウスの標準サイズである1/12ではなく、さらに小さい1/24程度のようだけど、人知を超えた精巧さの前では些細な問題でしょう。

ミニチュアに興味がなければ、宝の持ち腐れになるのはいうまでもありません。

危険性: ★☆☆☆☆

ミニチュア製造カメラは被写体に直接影響を及ぼさないので、想定外の事態は起こらないでしょう。

悪用度: ★★★☆☆

ミニチュア製造カメラで建物のミニチュアを作れば、その中にあるすべての物品を確かめられます。会社なら社外秘を、住宅ならプライベートな日記などを盗み見できるというわけです。

コンセントからの電力配給は途絶えるけれど、バッテリー駆動のノートパソコンなら起動できます。しかしなにぶん極小なので、文書一つ読むのも大変です。拡大鏡で見ながら針の先で操作する器用さと、偏執狂的な根気が別途必要でしょう。

空き巣の下見にも使えます。事前に金品の場所をミニチュアで確認しておけば、現場で物色せずに最小限の時間で目的のものを盗めます。室内を一切荒らさないので、家の中を知っている顔見知りの犯行だと錯誤させられるかもしれません。

秘匿性: ★★★☆☆

ミニチュア製造カメラで作ったミニチュアは、スマホなら起動するし、車ならエンジンがかかると推定されます。常識では考えられない存在です。

エンジンをかけるなどの動作をさせるまでもなく、注意力のある人なら、一目でその異様なまでの精巧さに気がつくでしょう。

カメラは手に取るととりあえずシャッターを切りたくなるものだし、本体もミニチュアも人手に渡れば、それが超常的存在であることがバレるのは時間の問題です秘匿性を守るには人目につかないように保管しなければなりません。

革命度: ★★☆☆☆

ミニチュア製造カメラは、要するにとてつもなく進化した3Dスキャナーと3Dプリンターの一体型です現状の3Dプリンターですら革命的だといわれているのだから、造形材料を問わないミニチュア製造カメラの革命性に疑いの余地はないでしょう。

とはいえこれ1台があったところで、世界を変えるシナリオは描けません。

まとめ

岡本太郎氏の作品をミニチュアにした「岡本太郎アートピース」は、数ある海洋堂のカプセルトイの中でも最大級にヒットしたそうです。お目当ての作品が出るまでガチャを回し続けた大人も多かったことでしょう。

元から興味がある物のミニチュアなら、ミニチュア愛好者でなくても食指が動くのだから、ミニチュア製造カメラにハマる人も同様に多いはず。

かように魅力的なミニチュア製造カメラだけれども、真価を発揮するのはガリバートンネルを用いたときだし、ひみつ道具にはもっと便利なものがあります。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、ミニチュア製造カメラの優先度は星2つです。

一つだけではなく複数のひみつ道具がもらえるなら、優先度が倍増するポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラでした。

道具名称:
ポラロイドインスタントミニチュアせいぞうカメラ
原作初出:
『ドラえもん』第3巻「ゆめの町、ノビタランド」
カテゴリ:
「ほ」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第3巻 / おもちゃ / カメラ / 大きさ / 製造
公開日:
2015年02月07日

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