もしも「きせかえカメラ」をもらったら

ドラえもんはいつも裸だし、のび太はファッションに興味をあまり示さないけれど、服を着せかえるひみつ道具の“きせかえカメラ”はちょくちょく活躍します。

考えてみれば、なにごとにもその場にふさわしい服装があるものでして……。

機能と効果

ドラえもんのきせかえカメラは、服を瞬時に着せかえさせられるカメラです。

服の写真か絵をこれに入れて、ファインダーに表示されたその服の像と、人の着ている服を重ね合わせてシャッターを切ると、服のデザインがパッと変わります。

ドラえもんによると「分子をばらばらにほぐして、組み立て直すカメラだよ」(1)とのことまた、服飾デザインをセットせずに使うと服が消滅します。

これらのことから、「元の服よりも質量が大きくなるデザインには変化させられない」、「余った分子は破棄される」と推定されます。

(1)てんとう虫コミックス『ドラえもん』第3巻「きせかえカメラ」より。

有用性: ★★★★☆

きせかえカメラがあれば、飽きたり、流行遅れになったりして着なくなった服を一発でリメイクできます。なんて便利で経済的!

インスタで見つけたあの服もその服も、プリントするだけで、みんな手に入ります。

礼服などの滅多に着ないのに用意しておかないと困る服もいらなくなります。必要なときに必要なデザインに、普段着を変化させればいいのです。

ファッションが好きで毎日違う服を着たい人、逆にファッションに興味がないからこそ服でとやかく言われたくない人、コスプレやドール服といった既製品の限られている趣味の人……。

とにかく服に関して少しでも一家言をもっているなら、間違いなく活躍するひみつ道具です。

危険性: ★★☆☆☆

分子レベルで一旦ばらばらにするというのは、なんとも物騒な仕組みです。誤作動で人体の分子がばらばらになったら……。万が一にもそんなことは起こらないと祈りましょう。

悪用度: ★★★☆☆

私的使用のための複製が認められるのは、個人が仕事以外の目的に使用する場合です。既存の服飾デザインを流用した服を販売するのは著作権侵害にあたります。

きせかえカメラでブランド服を作ってフリマアプリで販売、なんてのは当然違法なので気をつけましょう。

もっと悪辣なのは、服飾デザインをセットしていないきせかえカメラを使って、人の服を消し去ることです。

全裸になった人は辱めを受けるばかりか、「服が突然消えた」と言っても信じてもらえず、被害者なのに公然わいせつ罪で捕まってしまうかもしれません。悪趣味にもほどがあります。

秘匿性: ★★★★☆

きせかえカメラは有名なひみつ道具だし、派手な色合いで目立ちます。初めはおもちゃだと思っても、使っているのを見ればさすがに本物だと気がつくでしょう。

とはいえ人前で使わなければ済む話。一人のときに使う分には世に知られる由もなく、秘匿性に問題は生じません。

革命度: ★★☆☆☆

分子レベルで再構築するなんて夢のような技術です。あらゆる物の製造に転用できます。3Dプリンターどころの話ではありません。

当然、軍事利用もされるでしょう。一瞬で標的をちりと化する破壊兵器の誕生です。

もちろんそれはきせかえカメラのテクノロジーを解き明かせたらの話です。ただこれ1台があるだけでは世界は変わりません。

まとめ

色あせてないし、へたってもない服だけれど、デザインが今の気分と合わなくて着なくなるのはよくある話。そのままタンスの肥やしにするのはもったいない。きせかえカメラがあれば、そんな無駄をなくせます。

服に特化していて汎用性が低いひみつ道具の割には活躍する機会は多いでしょうというわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、きせかえカメラの優先度は星2.5つです。

道具名称:
きせかえカメラ
原作初出:
『ドラえもん』第3巻「きせかえカメラ」
カテゴリ:
「き」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第3巻 / カメラ / 変化 / 定番
公開日:
2015年01月28日

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