自宅の庭にある池で飼っている魚をのび太としずかちゃんに見せびらかして、スネ夫はご満悦です。自慢話をするだけならまだしも、調子に乗ったスネ夫はしまいには庭に池のない家をバカにし始めました。
すっかりヘソを曲げたのび太は早々に帰宅して、この顛末をドラえもんに愚痴りました。それを聞いて腹を立てたドラえもんが、スネ夫を見返すために取り出したひみつ道具が“ペット用魚えさ”です。
「ペット用魚えさ」という道具名は『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』およびアニメ版より。このひみつ道具が登場した原作エピソード「空とぶさかな」(第7巻収録)の作中では、道具名は明記されていません。
ドラえもんのペット用魚えさは、魚類をなつかせる餌です。
この餌を手にぎゅっと握って匂いをつけてから魚に食べさせると、その魚は匂いの主になつきます。さらに大気中でも呼吸ができるようになるばかりか、空中を自在に飛べるようになります。
なついた魚はイヌ並みの知能を得るため、番犬ならぬ番魚にしたり、芸を仕込むことも可能です。
効果の持続時間を示す描写は原作漫画にありません。摂取した成分を排泄するまで効果が持続する“アンキパン”の前例に倣って、ペット用魚えさの効果も体内にあるあいだ持続するものとします。ちなみにアニメ版では持続時間を12時間としています。
魚類を飼うのに必須となる水の管理はとても手間がかかります。海水魚は特に大変です。それがこのペット用魚えさを食べさせればあら不思議! 水を使わずに魚類が飼えます。負担が軽くなって、魚類のペットがぐっと身近になります。
でも魚類を飼いたい人は、水中の生きものだからこそ惹かれるのだろうから、水を使わずに飼うのは本末転倒かもしれません。
どのみち「ドラえもんのひみつ道具を一つだけもらえる」という条件下では、量の限られた消耗品であるペット用魚えさで飼い続けられる期間は高が知れています。
ペット用魚えさを食べた魚類は人懐っこくて友好的なので、危害を加えられる心配はありません。
危険が及ぶのは飼い主ではなく、ペット用魚えさを食べた魚類です。本来なら生きていけない水の外で効果が切れたら、当然ほどなくして死んでしまいます。定期的にペット用魚えさを食べさせて効果を継続させるのを忘れないようにしましょう。
しいてペット用魚えさの悪用方法を挙げるなら、毒を持った魚類をしつけて、人を攻撃させることぐらいでしょう。
魚類をなつかせたら最後まで飼育するか、 効果が切れてから元の生息地へ戻すのが、ペット用魚えさを使う上で守らなくてはならない最低限のマナーです。魚類の命を粗末にするのもまた悪用です。
空飛ぶ魚はインパクトが強すぎて、秘匿性はまるで期待できません。
Air Swimmers - Awesome RC Flying Shark and Clownfish!
魚類が経口摂取するだけで大気中における呼吸と飛行の能力をすぐに会得するだなんて、常識はずれにもほどがあります。
消耗品であるペット用魚えさを一袋もらったところで世界は変わないけれど、世界の見かたは変わるかもしれません。
「空飛ぶ魚」をペットにするのはさぞかし楽しいだろうなと思います。でも期間限定で中途半端に生きものを飼うのはちょっと無責任。消耗品のペット用魚えさは「もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら」という条件には不似合いです。
というわけで、ペット用魚えさの優先度は星
つです。