アンキパン

漫画『ドラえもん』のひみつ道具は、ほとんどが再登場しません。“タケコプター”や“どこでもドア”のように、何度も登場するものは実はごく一握りなのです。

そういった登場回数の多いひみつ道具が広く知られていますが、なかには一度きりの登場で強い印象を残して有名になったものもあります。“アンキパン”は、その筆頭ではないでしょうか。

機能と効果

ドラえもんのアンキパンは、暗記したいときに使う(食べる)食パン状のひみつ道具、すなわち「暗記パン」です。

本のページなどにアンキパンを押し当てると、合わさった部分がアンキパン側に転写されます。その状態のアンキパンを食べると、転写した内容をすっかり覚えることができます。食べられる限り何枚でも効果は重複します。

ただし、その内容を暗記していられるのは食べたアンキパンが体内にあるあいだだけ。排泄すると忘れてしまうのです。食べたものを消化して排泄するまでの時間は、およそ24~72時間とのこと。(便秘でなければ)長くても数日しかもちません。

パンはカビがとても生えやすく、消費期限が短い食品です。しかしアンキパンは未知の成分で作られているため、消費期限はないものとします。

エピソード「テストにアンキパン」では、ドラえもんは大量にアンキパンを持っていました。よってもらえる枚数は、大量かつ切りのよい100枚とします。

有用性: ★★★★☆

プレゼンやスピーチで、原稿を見ながら話すのと、聴衆を見ながら話すのでは説得力が違います。もちろん、聴衆をひきつけるのは後者です。プロンプターをうまく使ったとしても、その差を完全には埋められません。

ビジネスの勝負どころでアンキパンを使えば、評価を上げられることでしょう。

難易度の高い資格を取得する助けにもなります。ただ、必要な能力が伴わないまま資格を取得してしまうことが、果たして有用なのかは疑問です。

「テストにアンキパン」が描かれた70年代初期とは違って、現在ではパソコンとプリンターを使って超高密度の資料を簡単に作成できるようになりました。食パン1枚の大きさにかなりの情報量を詰め込めます。

のび太はテストのためにアンキパンをたらふく食べざるを得ませんでした。それが今なら数枚で済みます。アンキパンの利便性が当時よりも高まったといえるでしょう。

危険性: ★☆☆☆☆

アンキパンは消耗品です。アンキパンに頼って身の丈に合わない身分を手に入れると、アンキパンを切らしてから困ることになるでしょう。

悪用度: ★★☆☆☆

以前に“コンピューターペンシル”をテストで使おうとしたのび太をドラえもんは激しく非難しました。アンキパンのときに協力的だったのは、「こんどだけたすけて」と泣きつくのび太にほだされたからで、不正なことに変わりありません。

アンキパンによる記憶が恒久的なものならまだしも、一時的なものなので、試験の類いで使うのは能力を偽ることになります。

秘匿性: ★★★★☆

アンキパンの見た目はただの食パンです。勝手に食べられてしまったとしても、なにも転写していない状態ならばなんの効果も出ません。これが特殊な食パンだと悟られることはまずないでしょう。

ただ、食パンを大量に蓄えているのは不自然なので、見つかるとちょっと変わった人だとは思われるかもしれません。

革命度: ★☆☆☆☆

アンキパンは短期的に暗記できるだけ、しかも消耗品です。これだけでは、大きなことを成し遂げるまでには至らないでしょう。

成分とその仕組みを解析できれば、認知症の治療に応用できそうです。

余談

日常の出来事をすべて記憶して忘れることができない、「超記憶症候群」と呼ばれる症状の人が世界に数人いるそうです。一見便利そうだけど、過去の辛いこと悲しいことのすべてが、ついさっき起きたことのように思い出されて苦しい思いをしているそうです。

忘れる能力は、覚える能力と同じくらい大切なのですね。アンキパンの一時的にしか暗記できないという制限は、意外にも理に適っているのかもしれません。

まとめ

アンキパンは普通に使い勝手がよくて、ここ一番というときに間違いなく重宝するはず。問題は、消耗品なので「ドラえもんのひみつ道具を一つだけもらえる」という条件下では使える回数が限られてしまう点です。

というわけで、アンキパンの欲しい度は星2つです。

道具名称:
アンキパン
原作初出:
コミックス第2巻「テストにアンキパン」
カテゴリ:
「あ」から始まるもの / コミックス第2巻 / 人気 / 有名 / 記憶
公開日:
2014年08月15日
更新日:
2017年03月15日

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