もしも「レコード製造機」をもらったら

今日もまたジャイアンにボコられたのび太に対してドラえもんは、仕返しを考えるのではなく、逆に親切にしたらどうか、と提案しました。敵対するより仲良くなれというわけです。

なんだかジャイアンのご機嫌取りにいそしむスネ夫みたいで嫌だなというのはさておき、物は試しとのび太はドラえもんに手みやげを用意してもらって、剛田家を訪れました。

自分の歌声をこよなく愛しているジャイアンがもろ手を挙げて喜んだ手みやげ、それが“レコード製造機”です。

名称

このひみつ道具には正式な名称がつけられていません。「レコード製造機」とは公式ガイドブック『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』における仮称です。

機能と効果

ドラえもんのレコード製造機は、レコードを作る機械です。

これのホーンに音を吹き込むと、すぐさまレコードが出来上がります。さらにラベルやジャケットも内容に合わせて自動的に作ってくれます。

必要なだけ何枚でもプレスできます。レコードの規格は不明。作画からLP盤だと推定されます。

有用性: ★★★☆☆

レコードが音楽の記録メディアの座をCDに取って代わられたのも今は昔。そのCDも斜陽となって、形のないデジタルデータが主流になりました。

そうやってなにもかもがデジタルに移行した反動なのか、アナログであるレコードの人気が今また高まっています。

けれどレコードを作るのは、パソコンで手軽に書き込めるCDのようにはいきません。

個人向けのコンパクトなカッティングマシンはあっても、プレスによる複製までこなせるものはないから、レコードの製作を請け負っている業者に頼むのが基本です。

それがレコード製造機なら、自宅で簡単にレコードが作れる!

これってなかなか画期的。レコード愛好家にとって垂涎(すいぜん)の的でしょう。

ただしレコード製造機にはライン入力が備わっていません。ライブで一発録りするか、完パケの音源をスピーカー経由で吹き込むしかないのが欠点です。

まあライブで一発録りだなんてアナログの極致だから、「レコードらしくてむしろ熱い!」と前向きに捉えましょう。

危険性: ★☆☆☆☆

レコード製造機は純粋にレコードをただ作るだけの機械です。危険性はまったくありません。

悪用度: ★☆☆☆☆

第三者が著作権を有する音源を私的使用の範囲を越えて複製するのは著作権侵害です。

秘匿性: ★★★★☆

個人からの発注を受け付けているレコードプレス業者にオーダーすれば、誰だってレコードは作れます。

どうやってレコードを作ったのかと聞かれても、そういったサービスが言い訳になります。

レコード製造機で今まさに作っている、という現場を目撃されない限り、秘匿性に問題は生じないでしょう。

革命度: ★☆☆☆☆

レコード製造機の外観は、トーマス・エジソンが発明したロウ管式蓄音機そのもの。つまりテーブルに乗るサイズです。

いくらレコードが枯れた技術といっても、これほどコンパクトな筐体でカッティングからプレスまで行える機械となると先進的です。

それでもレコードを作るだけの機械なことには変わりない以上、社会にもたらす影響は取るに足りません。

まとめ

レコードを作るという目的と、クラシカルな見た目。そしてラッパ型のホーンに吹き込むのが唯一の録音方法という強いこだわり。レコード製造機はとても趣味性の高いひみつ道具です。

これに実用性を求めても仕方がない。真の目的は、心地よいノスタルジアを覚えることでしょう。それもまたよし。でも、数あるひみつ道具の中から選びとるには至りません。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、レコード製造機の優先度は星1つです。

道具名称:
レコード製造機
原作初出:
『ドラえもん』第11巻「ジャイアンの心の友」
カテゴリ:
「れ」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第11巻 / 製造 /
公開日:
2018年04月11日

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