かならず実現する予定メモ帳

「ひみつ道具を一つだけもらえるなら、どれが欲しいか」という与太話で避けては通れないのが、なんでも実現できる(かもしれない)万能系ひみつ道具です。「それを選んじゃ話が終わる」かと思いきや、よくよく考えるとそうでもありません。

強欲が過ぎると、おとぎ話の『舌切り雀』で大きなつづらを選んだ欲張りばあさんのように、ひどい目に遭うかもしれない。なんて訓話を踏まえつつ、万能系ひみつ道具の一つである“かならず実現する予定メモ帳”が欲しいか否かを検討します。

機能と効果

かならず実現する予定メモ帳は、ドラえもんによると「これに予定をかきこめば、どんなことでも実現する。どんなむりな予定でも」というひみつ道具です。

画像のように、「~が」「~と・に」「~で」「~」の4つの記入項目が1ページごとにあります。「と・に」のどちらか使わない方を×で消して、すべての項目を埋めて文章を完成させると、その内容が必ず実現します。

かならず実現する予定メモ帳が登場するエピソード「○○が××と△△する」では、「~が」の項目には特定の人物を指し示す言葉のみが使われていました。以上のことから、このブログでは「~が」の項目には人物縛りがあるものとします。

また、「~が」の項目に「ジャイアンとスネ夫」と書き込んでも実現したことから、各項目には複数のことを指定できることがわかります。

実現のされかたは、柔軟かつ曖昧です。「しずちゃんがのび太に今ここでチューをする」という文章は、「しずかちゃんが手にしていた万年筆からインクがチューっと飛び出してのび太の顔にかかる」という形で実現しました。

実現化に伴う人の行動は、「風が吹けば桶屋が儲かる」がごとく身の回りの現象に導かれます。直接的に操られるのではないため、ピタゴラ装置のように、実現化につながる出来事が連鎖的に起こるのです。

ピタゴラ装置の一例: "This Too Shall Pass" official video for OK Go

実現したページの文章を消しても再利用はできず、一度だけしか使えない消耗品とします。無印良品の似たようなメモ帳が40枚なことから、かならず実現する予定メモ帳も50枚程度、多くても100枚以内でしょう。

有用性: ★★★★☆

かならず実現する予定メモ帳は、「どんなことでも必ず実現する」という謳い文句の割には、無理やりこじつけた結果になることが間々あるようです。これは、偶然の連鎖を起こして実現化するという仕組み上やむを得ないのでしょう。

万能系ひみつ道具ではあるけれども、世界を思いどおりに操るほどの力はないのです。逆にいえば、現実に起こりうる範囲の出来事に帰結するので気楽に使えます。あたかも創造主かのようにすべてを思いどおりにできるのなら、それ相応の責任がのし掛かることを考えれば、これは大きな利点です。

チート的な利用方法、例えばほかのひみつ道具を手に入れるといった予定は、恐らくこじつけに終わってしまうでしょう。

宝くじを当選させるのは可能なはず。宝くじは乱数生成器で当選番号を決めるため、偶然をコントロールする仕組みとの相性がばっちりですから。

「世の中をより良いものにする」といった壮大なことを実現するのは難しいだろうから、公益は忘れて、思う存分私益のために使えます。自分にとって有益なことを現実に起こりうる範囲で実現できるのだから、有用性は文句なしです。

消耗品で使える回数が限られるのが玉に瑕です。

危険性: ★★★★★

かならず実現する予定メモ帳は、柔軟かつ曖昧に予定を実現します。解釈の余地が完全になくなるまで、下書きで厳重に推敲を重ねておくべきでしょう。でなければ、想定していない結果を招く危険性があります。

危険性はそれだけにとどまりません。困ったことに、予定を実現する過程で、文章に書いていないことも連鎖的に巻き起こります。それがどんなことなのか、予想だにできません。

さて、どんな願いでも三つかなえてくれる“猿の手”を手に入れた老夫婦を描いた小説『猿の手』はご存知でしょうか。おとぎ話をベースにした短編小説ながら、古典として数多くの作品でオマージュされてきた物語です。

劇中で老夫婦が200ポンド手に入れることを猿の手に願うと、翌日に思わぬ形で200ポンドが舞い込みます。しかしその「思わぬ形」とは、取り返しのつかない、ある悲劇だったのです。

かならず実現する予定メモ帳でも、似た悲劇が起こる可能性があることを忘れてはいけません。

悪用度: ★★★★☆

どうやら、 モラルに反することを制限する機能は、ひみつ道具全般に付いていないようです。人に不幸をもたらす予定でも、かならず実現する予定メモ帳は実現させてしまうでしょう。

漫画『DEATH NOTE』に登場する、人の死を操る“デスノート”の代用品としてさえ使えます。(もしかしたらデスノートは、かならず実現する予定メモ帳から着想を得たのかもしれませんね)

ピタゴラ装置のように人の死を導くことになるので、『DEATH NOTE』というよりは、映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズのようですけど。

『ファイナル・デスティネーション』字幕版(プレビュー)

そこまで過激な内容でなくとも、人の予定を勝手に操るのはもちろん悪用です。ただ、意思を直接操る人心掌握系のひみつ道具よりは幾分マシです。

秘匿性: ★★★★★

どのようなことを実現したとしても、その予定を裏で操る存在がいることを見抜く、『DEATH NOTE』の探偵Lのような人物は多分いないでしょう。

しかし、使用済みページは書き入れた文字を消して、更にシュレッダーにかけて捨てるなどして、万全を期するべきかもしれません。

革命度: ★★★☆☆

かならず実現する予定メモ帳で、一度に大きな変化を求めるとこじつけで終わってしまうとしても、実現する範囲の変化を重ねていったら?

『DEATH NOTE』のKIRAこと夜神月のような悪魔的頭脳をもってすれば、かならず実現する予定メモ帳の力を超越した、革命的変化を世界にもたらすことができるかもしれません。

まとめ

万能系ひみつ道具でありながら所有することの責任が比較的軽いかならず実現する予定メモ帳は、間違いなく「もしも、ドラえもんのひみつ道具を一つだけもらえるとしたら」の最有力候補に入るでしょう。

しかしながら『猿の手』が頭をよぎって二の足を踏んでしまいます。とういことで、欲しい度はちょっと控え目の星3.5つです。

道具名称:
かならず実現する予定メモ帳
原作初出:
コミックス第1巻「○○が××と△△する」
カテゴリ:
「か」から始まるもの / コミックス第1巻 / 万能 / 人気
公開日:
2014年07月15日
更新日:
2017年07月14日

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