大人になるとやれオーガニックだ手作りだと食べ物にうるさくなる人が多いけど、子供はそんなのおかまいなしに「ねるねるねるね」 のような得体の知れないお菓子に夢中になるもの。そんな子供心をわきまえたひみつ道具が“コンク・フード”です。
余談ですが「ねるねるねるね」 の得体の知れなさは見た目だけで、本当のところ保存料や合成着色料を使用していない、結構気を使ったお菓子だったりします。
てんとう虫コミックス第6巻の巻末付録「ドラえもん百科」、及び大長編『ドラえもん のび太の恐竜』に再登場したときは中黒(・)なしの“コンクフード”と表記されています。
この項では、てんとう虫コミックス第4巻の「海底ハイキング」に初登場したときの表記に従っています。
ひみつ道具のコンク・フードは、円錐形の容器に半練りの食品が入っている携行食です。容器の上部に備えつけられたストローから吸って食べます。「おいしくて、栄養たっぷり」とのこと。1缶が30食分です。
原作には下記の4品のコンク・フードが登場しました。
ライスについてはラベルの前半が隠れているので、もしかしたらカレーライスやオムライスかもしれません。ちなみに前述の「ドラえもん百科」(絵柄から方倉陽二作と思われる)では、「カレー」の文字が読み取れます。
消費期限は不明。当サイトでは、便宜上、無期限とします。ストローは外から異物が入らないように工夫されているらしく、水中でも食べられます。
ドラえもんからもらえる量は、前述の4品とします。
コンク・フードは非常食として優秀です。1缶だけでも1日3食で10日間。朝食を抜くなら2週間も食いつなげます。当座をしのぐには十分な量です。また、この量を考えると驚異的なコンパクトサイズで場所を取りません。
逆にいえば、コンク・フードでは当座をしのぐのが精一杯です。非常食が必要となるような状況そのものを根本から打破する力を持つひみつ道具には見劣りします。
通常の携行食にはない、コンク・フードならではの特徴は「水中でも食べられる」こと。しかしダイバーでも、水中で食事をする必然性はさほど見いだせないでしょう。携行食としては、今となっては別段優れているとはいえません。
食べ物が持つリスクといえば食あたりです。当サイトではコンク・フードの消費期限を無期限と仮定したので、食あたりの心配はありません。
海中で食事をするのは結構危険です。ひみつ道具の“深海クリーム”や“テキオー灯”で体を水中に適応させなければ、海水を飲んでしまって溺れるリスクが伴います。
悪用方法はまったく考えられません。
コンク・フードのような半練りのペースト食は、現代では携行食ではなく介護食に多く見られます。そのため携行食然としたコンク・フードを物珍しく感じる人も多いでしょう。とはいえ未来感はまったくないので、物珍しい止まりのはず。
コンク・フードは世の中を変えてしまうほどの存在ではありませんから、そもそも隠さなくとも問題は生じないでしょう。
たとえ味が良かったとしても、食感が失われているので敬遠されるのがペースト食というもの。コンク・フードは、携行食としてはむしろ前時代的です。
特殊な機能や効果があるわけではないコンク・フードは、ひみつ道具といってもしょせん携行食に過ぎません。子供の頃はなんとなく憧れた「ペースト状の食べ物を吸って食べる」というスタイルも、今となってはちょっと抵抗を感じます。
というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、コンク・フードの優先度は星
つです。