もしも「あらかじめアンテナ」をもらったら

「備えあれば憂いなし」とはいうけれど、なにが備えとなるかが問題です。「いつか使うかも」と考えて、物品を無駄にため込んでしまうのはよくあること。そこで出番となるひみつ道具が“あらかじめアンテナ”です。

機能と効果

ドラえもんのあらかじめアンテナは、物事にあらかじめ備えられるひみつ道具です。

この小型アンテナを“タケコプター”のように頭に装着すると、体がひとりでに動き出して、これから起こる出来事に必要となる物品を用意しだします。

着用者は「なにかが起こる」という漠然とした予感がするにとどまり、それがどんな出来事なのか、準備した物品をどう使うことになるのか、そのときがくるまでわかりません。

有用性: ★★★★☆

原作エピソードでは、のび太からあらかじめアンテナを借りたのび助(のび太のパパ)が、その結果、はしたない行動をとって恥をかいてしまいました。あらかじめアンテナは近視眼的で、必ずしも好ましい大局になるとは限りません。

けれどもそれはあらかじめアンテナを付けっぱなしにした場合の話。準備が終わった時点であらかじめアンテナを外せば、用意した物品を使うか否かは自分で判断できます。そもそも小さなアンテナを頭に付けていたら変人扱いされてしまいます。

のび助の事例を鑑みるに、あらかじめアンテナは結構先の出来事まで対応しているようです。登校・出勤前、昼休み、帰宅前、といった具合に定期的に装着して準備だけすれば十分に用をなすはずです。

適切にあらかじめアンテナ運用したならば、「備えあれば憂いなし」を地で行く利便性が得られるでしょう。

危険性: ★☆☆☆☆

迫りくる危険に備えるのがあらかじめアンテナの基本的な用途です。前述したのび助も直接の害を受けたわけではありません。危険どころか、安全性が高まります。

悪用度: ★★★☆☆

あらかじめアンテナは善悪の判断をせずに、着用者の短期的な利益となる準備をすることが原作エピソードからうかがい知れます。

おそらくは、犯罪に及ぶ際にあらかじめアンテナを装着すれば、犯行の手助けとなる準備をしてくれるでしょう。

秘匿性: ★★★☆☆

頭にアンテナなぞ付けていたら、文字通り「電波系」として厳しい視線を集めてしまいます。やはり人前で使うのは控えるべきでしょう。一人のときに準備だけする使い方をすれば秘匿性は保てます。

革命度: ★★★★☆

あらかじめアンテナがしていることは紛れもない未来予知です。未来からやって来たドラえもんの道具なのだからもっともだとはいえ、やっぱり我々の常識を覆す存在なことに変わりありません。

まとめ

あらかじめアンテナは「まもなく必要になる物品」を用意するにとどまり、この先になにが起こるのかは教えてくれません。未来を知ることの危うさを踏まえれば、これはあながち欠点でもないでしょう。

準備が終わった時点であらかじめアンテナを外せば、最後の決断は自分でくだせます。自分の人生の手綱は自分で握りたいけど、ひみつ道具の力添えは欲しい。そんな心持ちにあらかじめアンテナはちょうどよく思えます。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、あらかじめアンテナの優先度は星3.5つ。なかなかの掘り出し物です。

道具名称:
あらかじめアンテナ
原作初出:
『ドラえもん』第11巻「あらかじめアンテナ」
カテゴリ:
「あ」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第11巻 / サポート
公開日:
2016年10月27日

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