UFOのフェイク写真でのび太をだましたジャイアンとスネ夫を懲らしめるためにドラえもんが立ち上がりました。
「目には目を、歯には歯を」というわけで、この復讐劇に使われたひみつ道具が“ラジコン宇宙人”です。
ドラえもんのラジコン宇宙人は、ラジコンで遠隔操作できる宇宙人型ロボットです。見た目は、古典SF小説『宇宙戦争』のイメージに起因した、いわゆる「タコ型火星人」です。
身動きを操れるほか、コントローラー(送信機)に向かって話すと、その声を宇宙人風の声色に変換してラジコン宇宙人の口から出力するボイス機能も備わっています。
このときラジコン宇宙人は、話の内容に合わせてジェスチャーと表情を自動的に変えるので、あたかも本当に宇宙人が話しているように見えます。
作中でラジコン宇宙人は光線銃を手にしていました。これが付属品なのか否かは不明。当サイトでは標準付属品だと仮定します。
この光線銃は威嚇用で威力は抑えられていると、作中の描写から推測されます。
柔軟に動くタコ型の触手によって、ラジコン宇宙人はかなりの生命体っぽさを実現しています。テキトーに動かすだけで見応えがあって楽しめるでしょう。素直に優秀なラジコン玩具です。
その形態や作中における使われ方からすると、ラジコン宇宙人は人を驚かすいわゆる「ドッキリ」を主目的としたひみつ道具です。
リアルな作りでありながら、デザインは「いかにも宇宙人」で嘘くさい、という絶妙なバランスなので、笑って許せるドッキリになるでしょう。
ただしラジコン宇宙人の触手にきわめて高度なテクノロジーが用いられていることは、見る人が見ればわかります。
ラジコン宇宙人の出所を追及されると面倒なので、大衆の面前にさらすような派手な使い方はできません。
たとえおもちゃの銃でも人を怪我させる場合があります。ましてやラジコン宇宙人の光線銃の威力は未知数です。人に向けて撃つのは控えるべきでしょう。
テレビ番組のドッキリは仕掛け人はもとより、ターゲットもギャラが発生する仕事だからこそ成立している一面があります。
イジリとイジメが表裏一体であるように、ビジネスではないリアルガチのドッキリもまた危うい行いであることをわきまえなければいけません。
付属の光線銃で生きものを撃つなんてのは論外です。
ラジコン宇宙人を見た人が、それが未来のものだと気がつくかどうかは微妙なところです。
TDLやTDSのアトラクションに設置されているキャラクターロボット「オーディオアニマトロニクス」は、新しくなるにつれてどんどん所作が自然になってきて、ラジコン宇宙人にも引けを取りません。
DISNEY'S NEW ANIMATRONICS - TechCrunch
とはいえそれは製作費に糸目をつけない業務用だからこそ。家庭用のロボットとして考えると、ラジコン宇宙人はやはり不自然なほど高度です。
そう遠くない将来、それこそドラえもんの生まれる2112年を待たずして、ラジコン宇宙人に使われている技術はありふれたものとなるでしょう。しかし今はまだ、無暗に人目にさらすには時期尚早です。
宇宙人型のラジコン玩具1体で世の中を変えるシナリオは描けません。
ラジコン宇宙人はこれといった欠点もなく、ラジコンロボットとして普通に使えます。ロボットやラジコン、あるいは宇宙人の愛好家なら、きっとお気に入りになることでしょう。
逆にいえばそういったものに興味がない人にとっては、「ふーん」という程度しか心が動かないであろうひみつ道具です。
というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、ラジコン宇宙人の優先度は星
つです。