いくつの頃までおねしょをしていたか、もう覚えていません。けれども、履いている靴下がぬれたときの気持ち悪さから、おねしょの感覚も大体想像つきます。ウワァ😩って感じ。
そんなおねしょを強制的にさせるひみつ道具が“おねしょじゃ口”です。悪趣味!
ドラえもんのおねしょじゃ口は、エピソード「ゆめふうりん」に登場したものの、使われなかったため詳細が分からないひみつ道具です。『ドラえもん最新ひみつ道具大辞典』によると「これをつけられると、おねしょをしてしまう」とのこと。
その名のとおり蛇口で、根元を人の体に取り付けられるようです。ドラえもんは、人を懲らしめるときに使おうとしました。取り付けられた人が自分で外せては懲罰にならないので、取り付けた人でなければ外せないと推定されます。
人におねしょをさせる。そんな効力は社会規範から逸脱しており、常識的な範囲では有用といえる使い道を見いだせません。
懲罰に使うにしても、無暗に屈辱的であり、倫理的問題があります。
おねしょじゃ口の大きさは、通常の蛇口と同程度です。こんなものが体に付いていたら、寝返りを打つたびにつっかえて、関節や筋肉を痛めてしまうでしょう。
また、おねしょじゃ口を誰かに付けたまま、取り付け作業をした人が死んでしまったら、二度と外せなくなるおそれがあります。
そもそもおねしょじゃ口の使用目的は嫌がらせしか考えられないのだから、悪用【本来の用途とは違う、悪い目的に転用すること】という言葉はふさわしくないでしょう。
一部とはいえ体のコントロールを奪うなんて、尊厳を踏みにじるようなものです。地味な存在ながら、おねしょじゃ口は存外たちの悪いひみつ道具です。
おねしょじゃ口を体に取り付けられて、気がつかない人はいないでしょう。たとえ寝ているあいだにこっそり取り付けたとしても、違和感で目が覚めてしまうはずです。
おねしょで革命が起こせるなら、へそで茶が沸かせます。
悪事用なのに秘匿性が皆無に等しいのでは使いように困ります。それ以前に、人におねしょをさせる嗜好がありません。
というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、なんとも悪趣味なおねしょじゃ口の優先度は星
つです。