もしも「みちび機」をもらったら

学校のテストでまた0点を取ってしまったことをママに打ち明けるべきか、隠すべきか、のび太はさんざん迷いました。

ママを怖がるあまりに決められずにいるのび太を哀れに思ったドラえもんが、のび太に貸してあげたひみつ道具が“みちび機”です。

機能と効果

ドラえもんのみちび機は、人を導くおみくじを出す、ハンディサイズの鳥居です。

悩み事を言ってから上部のボタンを押すと、おみくじが飛び出てきます。それに書かれている助言に従えば、必ずやよい結果が得られます。

有用性: ★★★★★

0点の答案をママに打ち明けるべきかをのび太がみちび機に問うと、「午後七時にうちあけるべし」と書かれたおみくじが出てきました。

いったいどうしてその時刻なのか、わけもわからず従ったところ、思わぬ形で難を逃れられたのです。

効力が裏目に出るひみつ道具も多い中、みちび機は正真正銘うたい文句どおりに機能します。

人生に迷っても、みちび機があれば選択を誤りません。もう二度と「あのとき、ああしていれば……」という苦しい思いをせずに済みます。その有用性は計り知れません。

危険性: ★★☆☆☆

あらゆる人生の選択をみちび機に委ねれば、与えられた可能性のうち最善の人生を歩んでいけるでしょう。

でも、はたしてそれが本当に自分の人生だといえるでしょうか。

みちび機の導くままに人生を送ると、生きている実感を失ってしまうかもしれません。ときには自力で活路を見いだす気概も必要です。

悪用度: ★☆☆☆☆

みちび機を使えば完全犯罪を成し遂げられる?

いや、みちび機の「人を導く」という特性は、そのような邪心を正す方向に働くはずです悪事に関する助言を求めても、更生への道を示されるので、悪用はできません。

秘匿性: ★★★☆☆

みちび機のおみくじは、鳥居の額束(がくづか)に開いた穴のなにもない空間から出現します。小規模ながらも、なかなかの超常現象です。

小さな鳥居に悩み事を口頭で伝えるという人目を引く発動条件も相まって、人前ではちょっと使えません。

とはいえ少しのあいだ席を外して使えば済む話です。それさえも許されない急を要するときぐらいは、自力で決断しましょう。

革命度: ★★★☆☆

この社会をよくしたいと心から願っている人がみちび機で結果を出し続けたら、いつか本当に社会が変わるかもしれません。

未知の力の導きだろうと最後は人の力で変えていくのだから正道の変革です。“ポータブル国会”でちょちょいと社会を操る邪道とは違います。

ただしそれには計り知れないほどの善意と信念と行動力が必要なことでしょう。はたしてそんな傑物がこの世にいるかはまた別の話です。

まとめ

人生に迷ったとき、望ましい筋道に導いてくれるだなんて、とてつもない恩恵です。

みちび機はあくまで「外さない助言」をくれるだけだから、自分で行動に移さなければなにも始まりません。ひみつ道具に任せっきりなるより、はるかに健全です。

それでも、迷うたびにみちび機に頼れば、下手すると自分の人生の手綱を手放すことにもなりかねない危うさを忘れてはなりません。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、みちび機の優先度は星4つです。

ねたみそねみが生み出した虚像じゃなくて、本当に「やることなすことうまく人」がいたら、その人はドラえもんからみちび機をもらったのかも⁉

道具名称:
みちび機
原作初出:
『ドラえもん』第13巻「七時に何かがおこる」
カテゴリ:
「み」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第13巻 / サポート
公開日:
2018年09月05日

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