もしも「スーパー手ぶくろ」をもらったら

ドラえもん』に登場するひみつ道具はバトル漫画とも相性が良いはず。さまざまなひみつ道具を駆使した頭脳戦で盛り上がることでしょう。でも、バトルで熱いのは、なんだかんだで力と力のぶつかり合いだったりします。

腕っぷしが強くなるひみつ道具といえば、“スーパー手ぶくろ”です。

機能と効果

ドラえもんのスーパー手ぶくろは、はめると力が強くなる手袋です。効果は手だけではなく、全身に及びます。

原作エピソード「ご先祖さまがんばれ」でスーパー手ぶくろをはめたのび太がこともなげに大木を振り回していることから、筋肉だけではなく、間接も含めて総合的に肉体が強化されていることがうかがい知れます。

有用性: ★★☆☆☆

スーパー手ぶくろがもっとも活躍するのは、やはり戦いでしょう。しかし我々の日常は、バトル漫画のような熱い戦いとは無縁です。現実にあるのは残念ながら、戦争におけるむなしい戦いだけです。

「ご先祖さまがんばれ」でもスーパー手ぶくろは、のび太のご先祖様にいくさで手柄を立てさせるために使われました。そのときにドラえもんが発した、戦争に対する冷めた見解が秀逸です。

のび太
「どっちのみかたをすればいいの?」
ドラ
「てきとうにやんなよ」
のび太
「正しいほうをたすけなくちゃ」
ドラ
「どっちも、自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ」
『ドラえもん』第1巻「ご先祖さまがんばれ」より

日常では、重いものを持つときに役立ちます。機械化が進んだ昨今でも、引っ越しの家具の搬入など、人力で重いものを持ち上げる必要のある場面はまだまだあります。そういった力仕事全般でとても重宝するでしょう。

部屋の模様替えをするときに、本棚などの重い家具でも一人で楽に移動できるのはうれしいですよね。

危険性: ★★☆☆☆

肉体が強化されるため、自分自身の安全性は高まります。問題は、期せずして人や物品を傷つけてしまう可能性が高いこと。なにせ大木を振り回せるほどの力ですから、力加減には細心の注意を払う必要があるでしょう。

悪用度: ★★★☆☆

スーパー手ぶくろの機能は暴力に直結します。そして暴力は、さまざまな犯罪の下地になります。

ただ、スーパー手ぶくろを悪用するような人は、元から犯罪者の気質があるのだと思います。堅気を悪の道へ堕とすような悪魔的魅力があるとまではいえません。

秘匿性: ★★☆☆☆

冬場なら普通の手袋を、重いものを持つ場合は滑り止め付き軍手を、それぞれしていても自然なので、中に隠せます。

とはいえ、常軌を逸した怪力を見られてしまったら、スーパー手ぶくろ自体を隠してもあまり意味がないので、人前でバレずに使うことは難しいでしょう。

革命度: ★★★☆☆

スーパー手ぶくろは、重機では不可能な繊細な作業が求められる災害救助の現場などで目覚ましい成果をあげられるでしょう。

更に大きな影響を及ぼすのは、男女間における肉体的強度の差がなくなることです。世界にはびこる男尊女卑は腕力の差に一因があると思われるので、これによって革命的な変化がもたらされるかもしれません。

高齢者の身体的機能を向上させられるのも見逃せません。介護の必要性が低下し、社会参加を促すことが期待できます。高齢化社会が進むここ日本において、スーパー手ぶくろが果たす社会的役割は、とても大きなものになるでしょう。

これらは量産化できたらの話。スーパー手ぶくろを持っているのが世界で一人だけなら、歴史的な変化は生まないでしょう。

まとめ

戦う機会がなくたって、スーパー手ぶくろはあればあったでなにかと重宝するでしょう。なかなか実用性のあるひみつ道具です。というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、スーパー手ぶくろの優先度は星3つです。

道具名称:
スーパー手ぶくろ
原作初出:
『ドラえもん』第1巻「ご先祖さまがんばれ」
カテゴリ:
「す」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第1巻 / 戦闘 / 能力
公開日:
2014年06月21日

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