かげきりばさみ

基本ぐうたらで他力本願なのび太は、いつも楽しようとしてばかり。今日もお父さんに頼まれた庭の草取りをくだらない理屈をこねてサボろうとしています。そんなのび太をドラえもんは見るに見かねて、“かげきりばさみ”を取り出しました。

これが草取り程度に使うには危険すぎるひみつ道具で……。

機能と効果

ドラえもんのかげきりばさみは、人の影を切り離すハサミです。切り離された影は、命令に従う影人間になります。

影人間の基本的な身体能力は本人(影の主)と同じです。相違点は、自我に目覚めるまではしゃべれないこと、そして平たくなって隙間を通り抜けられることです。

影人間は、本人とノリでくっ付けると元の影に戻ります。本人と離れたまま30分を過ぎると、影人間は自我に目覚めて、影でいることが馬鹿らしくなり、独断で行動するようになります。2時間経つと、本人と影人間が入れ替わってしまいます。

自我に目覚めるまでの時間は、累積されずに、元の影に戻すたびにリセットされるものとします。

逃げ出した影人間を捕まえるには、“かげとりもち”が必要です。

かげきりばさみとかげとりもちは、『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』や、テレビ朝日のアニメ版公式サイト内にある「ひみつ道具カタログ」において、別個の項目で紹介されていることから、それぞれ独立したひみつ道具とします。

また、本人と影人間をくっ付けるノリをドラえもんは「こののり」と限定した表現で呼んでいるため、通常のノリとは違う、ひみつ道具であることがうかがえます。しかし、上記の資料にノリの別個の項目はないため、かげきりばさみとセットで一つのひみつ道具であるとして、この項でまとめて扱います。

有用性: ★★★☆☆

影人間は、本人が持つ能力以上のことをできないにしろ、意思がなく従順な分だけ効率的に仕事をこなせます。30分の短い時間でも、めんどくさい用事を結構片付けてくれるでしょう。掃除などの家事を代行してもらうのにうってつけです。

制限時間の関係から、外出させるのは危険すぎるので、頼める仕事は家の中のことに限られます。勤め先の業務が家に持ち帰って続きができるものなら、影人間の本領発揮です。本人は最後に確認するだけで仕事が済むのですから。

ただし、消耗品の専用ノリを使うため、影人間を使役できる回数は残念ながら制約されます。このことは、少なからず有用性に影響を与えるでしょう。

危険性: ★★★★☆

影を切り離したまま30分をうっかり過ぎてしまうと、影人間は逃げ出してしまいます。「もしもドラえもんのひみつ道具を一つだけもらえるとしたら」の話なので、かげとりもちはありません、影人間は素手では捕まえられないにもかかわらず。

こうなったらもう全てが手遅れ。あとはもう、自分が影の存在になっていくのを恐怖におののきながら待つしかないのです。

自分と同じ姿をした、いわゆるドッペルゲンガーを見た者は、近いうちに死んでしまうと言い伝えられています。ここ日本でも「影の煩ひ」と呼ばれ、忌み嫌われてきた歴史があるようです。

自分と同じ姿をした影は、とても危険な存在であることを忘れてはいけません。

悪用度: ★★★☆☆

影人間は、初めの30分間は感情を持たないため、どんな悪事であっても躊躇なく命令に従うでしょう。わずかな隙間でも通り抜けられるという影人間の特性を活かせば、鍵のかかったドアなどを内側から開けて侵入できます。

しかし、本人と同じ姿をしているのだから、影人間の犯行を目撃されれば、嫌疑は本人にかかります。これでは自分で悪事を働くのとあまり変わりありません。かように影人間は、悪用には向きません、「自分の影人間」ならば。

そう、かげきりばさみは自分以外の影も切り離せるのです。しかも影人間は本人以外の命令にも従います。他人の影人間を悪用すれば、嫌疑をその人にかけられます。

30分の時間制限を無視すれば、人を影の存在にすることすらできます。ただ、人間に進化した影人間がどのような人格を持つのかは不明のため、思わぬしっぺ返しを食らうかもしれないけれど。

秘匿性: ★★★☆☆

かげきりばさみが登場する原作エピソード「かげがり」で、のび太の影人間を見たのび助(のび太の父)は、真っ黒に日焼けしたのび太だと認識しました。色の黒さに違和感を覚えるものの、影人間だと即バレすることはないようです。

とはいえ本人との色の違いからいろいろと勘繰られることは避けられないので、かげきりばさみを秘匿したいなら、影人間を人目にさらすべきではありません。

かげきりばさみ自体は、普通のハサミと見分けがつかないでしょう。

革命度: ★★★☆☆

影が動き出し、やがては人格を持つことは、現代の科学的見地とは相いれない革命的な現象です。かげきりばさみの存在を世に公表すれば、命の概念を根本から覆すことになるでしょう。

しかしそれは思想的な影響にとどまり、具体的な変化を世界にもたらすまでには至らないように思えます。

まとめ

たとえ便利だとしても、存在を乗っ取られる危険性があるからには使いたいとは到底思えません。そもそも、自分と同じ姿をした影人間は、どうにも気味が悪い。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、かげきりばさみの優先度は星0.5つです。

道具名称:
かげきりばさみ
原作初出:
コミックス第1巻「かげがり」
カテゴリ:
「か」から始まるもの / お手伝い / コミックス第1巻 / 分身
公開日:
2014年06月24日
更新日:
2016年09月11日

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