もしも「しゅみの日曜農業セット」をもらったら

職種によっては、ごく小さい規模でする分なら趣味になる仕事があります。例えば大工は、日曜大工なんて言葉があるくらい趣味としてポピュラーです。そのように、農業を趣味にしてしまおうというひみつ道具が“しゅみの日曜農業セット”です。

機能と効果

ドラえもんのしゅみの日曜農業セットは、室内で農作業を体験できるひみつ道具です。下記の5点ないし6点がセットになっています。

たんぼロール

広げると田んぼになるシートです。薄いシートですが、表面が奥行きのある特殊な空間になっているので、田んぼにはちゃんと深さがあります。最初から水が張られていて、イネを育てるのに必要な肥料も配合済みです。

打ち上げ式豆太陽

たんぼロールの上に浮かび上がる小型の太陽です。

チューブ入り雲

チューブから出すと、小型の雨雲になります。これと打ち上げ式豆太陽で、外界とは別の気候をたんぼロール上に作り出します。

カプセル入りのなえ

カプセルに入っている苗です。

かかし

発生した害虫を追い払う効果がある模様です。

てるてるぼーず

釣竿状の棒にぶら下げられたてるてる坊主。劇中で説明なしに唐突に登場するため、しゅみの日曜農業セットに含まれているのかは不明。チューブ入り雲からの降雨を抑制する効果があります。(名称はアニメ版公式サイトより)

以上のセットには季節コントローラーが組み込まれており、それぞれが連動して天候と季節が移り変わります。季節の移り変わりと作物の成長は実時間よりもはるかに早く、田植えから2時間後には実りの秋が訪れて収穫できます。

夏には台風、秋にはイナゴが発生するなど、季節に応じた問題が発生して、適度に苦労するように作られています。

有用性: ★★☆☆☆

ガーデニング好きが高じて畑を始めたという話は結構耳にします。けれど田んぼとなるとハードルが高いようで、趣味でやっている話はそうそう聞きません。

そのハードルを一気に下げるしゅみの日曜農業セットなら、気軽に、その名のとおり休日を過ごす趣味として田んぼを始められます。家庭菜園の類いを好きな人にとっては楽しい休日となるでしょう。

しゅみの日曜農業セットは、短い時間で農業の体験学習ができる、教材としても優れ物です。適度に苦労するように課題が用意されているのは、教育的側面を考慮に入れてのことだと思われます。

なんにせよ、自分で栽培した作物の美味しさは格別なはず。それだけでも価値があります。ただ、田んぼや栽培にかかる期間にこだわらなければ、現実的な家庭菜園で事足りるので、個人ユースでの有用性はそこまで高くありません。

危険性: ★☆☆☆☆

身に危険が及ぶことはないけれど、台風やイナゴが発生するので、部屋がめちゃくちゃになるかもしれません。また、田んぼの泥で部屋が汚れるのを避けるのも難しいでしょう。

悪用度: ★☆☆☆☆

田んぼを用いた犯罪は聞いたことがありません。悪用を強いて挙げるなら、たんぼロールの常識ではあり得ない空間に死体を隠すことでしょうか。それにしたって、もっと適したひみつ道具がほかにあります。

秘匿性: ★★★☆☆

室内で、しかも2時間強で使い終わるので、使用中に部屋に入られない限りしゅみの日曜農業セットの秘匿性は守れます。

とはいえ、家族と一緒に住んでいると不意に部屋へ入られることもあるでしょう。部屋の中に田んぼがあったら……ちょっと言い訳しようがないかもしれません。

革命度: ★★★☆☆

小型の太陽や雨雲、田植えから2時間で収穫可能なイネ……。田んぼの牧歌的な見た目とは裏腹に、しゅみの日曜農業セットにはかなり革新的なテクノロジーが使われています。

それらの仕組みが解明できたなら、耕種農業に革命的な進歩をもたらすでしょう。そしてその進歩は、食糧不足の解消につながるはずです。

まとめ

あらゆるひみつ道具が使い放題ならば、一度くらいはしゅみの日曜農業セットで遊んでみたい。短い時間で田植えから稲刈りまで体験できるのは、間違いなく楽しいはず。

けれど一つしかひみつ道具をもらえないなら、どうせならもっと劇的な経験をもたらすものを選びたい。というわけでしゅみの日曜農業セットの優先度は、星1つです。

道具名称:
しゅみの日曜農業セット
原作初出:
『ドラえもん』第2巻「タタミのたんぼ」
カテゴリ:
「し」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第2巻 / セット / 体験
公開日:
2014年10月11日

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