もしも「怪談ランプ」をもらったら

夏になると決まって増えるのが、納涼と称して怪談をテーマにしたテレビ番組やイベントです。場合によっては、自分で怪談を語る機会もあるでしょう。そんなときに役立つひみつ道具が“怪談ランプ”です。

機能と効果

怪談ランプは火の玉(人魂)型のひみつ道具で、ドラえもんによると「これを出して怪談をすると話のとおりのできごとがおきる」とのこと。

のび太は怪談ランプを素手で触ったり、ポケットにしまったりしていました。火の玉を模しているだけで燃えてはおらず、常温のようです。

「話のとおり」とはいっても、起きるのは怪奇現象そのものではなく、それに見立てた現実的なことです。例えば「のっぺらぼう」の話をしたときに現れたのは、美容パックをした玉子(のび太の母)でした。

有用性: ★☆☆☆☆

気の合う仲間を集めて、怪談ランプを使って怪談を語れば盛り上がることは請け合いです。サークルの合宿などで活躍するでしょう。

ホラーが好きならば、むしろ自分だけで使った方が楽しめるかもしれません。一人きりの自宅で怪談ランプを使えば、手軽に恐怖を体験できます。それが楽しめる人は、相当な物好きだと思いますけど。

また、怪談ランプには万能系ひみつ道具としての側面も少なからずあります。なにせ話に沿った出来事がなんでも起きるのです。試行錯誤を重ねれば、望みどおりの出来事を起こせるかもしれません。

しかし、起きる出来事が「見立て」であるからには、完全にコントロールすることが不可能なので……。

危険性: ★★★☆☆

怪奇現象に見舞われることはないけれど、なにが起きるかわからない危険性があります。のび太が使ったときは「おにばば(やまんば)」の代わりに強盗が現れました。このように、思いも寄らない危険な目に遭うかもしれません。

怪談ランプは、かなり危ういひみつ道具だといえるでしょう。

悪用度: ★★☆☆☆

怪談ランプを出して、でたらめに怪談を語りながら人込みの中を歩き回れば、街を混乱の渦に陥れることになるかもしれません。

秘匿性: ★★☆☆☆

怪談ランプは、しまっていると効果を発揮しないので、人前に出さなくてはなりません。「宙飛ぶ火の玉」という見た目はインパクトがとても強く、効果を発揮させつつ隠すのは難しいでしょう。行灯の中に設置するなどの工夫が必要です。

一人だけで楽しむならば、秘匿性を考える必要はありません。

革命度: ★★★☆☆

世の中には「怪談師」と呼ばれる、怪談を語ることをなりわいとした人たちがいます。怪談師界に革命を起こしそうな怪談ランプですが、一般人への影響は少ないでしょう。

牛抱せん夏の「怪談LOVERS」第壱怪その壱「黄色いカバン」

もちろん、話の内容に沿った出来事が起きる効果は、我々の常識をはるかに超えた革命的なものです。

まとめ

ホラー映画は、あくまでスクリーンの向こうの出来事だからキャーキャー言って楽しめるのです。実際に身の回りで起きたなら、たとえそれが見立ての出来事だったとしてもシャレになりません。

そんな怖い思いを楽しめる物好きではないというわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、怪談ランプの優先度は星0.5つです。

道具名称:
怪談ランプ
原作初出:
『ドラえもん』第2巻「怪談ランプ」
カテゴリ:
「か」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第2巻 / 体験
公開日:
2014年08月19日

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