ペコペコバッタ

悪いことをしたら反省して謝る。そんな単純なことが割と難しい。

自尊心やらなんやらが邪魔をして、余計なことを言ってしまったり。うわべだけ謝って体裁を繕ったり。

大人だってそんなだから、素直にごめんなさいできる子供は、それだけで偉いと褒めたくなります。

漫画『ドラえもん』では、強情で謝らないジャイアンやスネ夫にのび太が困らされました。そこで登場したのが“ペコペコバッタ”です。

機能と効果

ペコペコバッタは、バッタ型のひみつ道具です。ドラえもんによると「これにとりつかれると、自分の悪かったことを反省して、ペコペコあやまるよ」(1)とのこと。常軌を逸した猛烈な反省を促します。

ペコペコバッタを放すと、周囲の人間を探して、鼻の穴から体内へ侵入して効果を発生させます。宿主がくしゃみをするとペコペコバッタは体外に排出されて、効果が切れます。

(1)てんとう虫コミックス『ドラえもん』第1巻「ペコペコバッタ」より。

有用性: ★★☆☆☆

悪事の反省を促させることは有用です。けれど効果が切れた途端に反省心を失ってしまうので、根本的な解決にはなりません。

でも「一時だけでいいから、とにかく相手を謝らせたい」なんてときもあります。その場合は溜飲を下げられるでしょう。

ペコペコバッタに取りつかれると、過去の悪行を洗いざらい告白するため、犯罪捜査の取り調べで使えば格段の成果を上げられます。ただ、いわゆる“自白剤”はモラルに反しているため、有用だとは断定できません。

危険性: ★★★☆☆

原作エピソードでは、ペコペコバッタに取りつかれたタダシくん(のび太の同級生)が、犯した罪を後悔するあまりに自殺を図りました。ドラえもんによって未然に防がれたものの、一歩遅ければ死人が出ていました。

前述したように、ペコペコバッタが促す反省の念は常軌を逸しているため、取りつかれた人の精神状態によっては、思わぬ事態を招く危険性があります。

ペコペコバッタは放すと勝手に周囲の人に取りつくので、慎重に管理しなくてはならないでしょう。図らずも自分が取りつかれてしまうかもしれないのですから。

また、人は誰しも秘密を抱えているものです。恋人や配偶者から、知りたくないことを聞かされてしまうかもしれません。「嘘も方便」とはよく言ったものです。

悪用度: ★★★☆☆

ペコペコバッタに取りつかれると、量刑の範囲を明らかに超えて自らを罰してしまうため、言葉巧みに追い詰めれば、些細な罪からでも自殺へ誘導することができるでしょう。

仮に、極刑に値する罪を犯した人でなし相手だったとしても、私的制裁は許されることではありません。というのはきれい事なので、フィクションの世界では、悪人に私的制裁を加えるダークヒーローが人気を集めるわけですけど。

それはさておくとしても、精神を操作するひみつ道具は、使うこと自体が押しなべて悪用だといえるでしょう。

秘匿性: ★★★☆☆

バッタ(型のロボット)が鼻の穴に入ることは、相当インパクトが大きいです。また、ペコペコバッタに取りつかれた対象の行動は、明らかにいつもと違って目立ちます。対象者が死亡した場合、証拠となるペコペコバッタが体内に残ります。

とはいえ、それらのことが、ペコペコバッタというオーバーテクノロジーの存在に即つながるとも思えません。なにせ荒唐無稽すぎる存在ですから。秘匿性は使い方次第でしょう。

ペコペコバッタは自白剤として使えるため、諜報機関は喉から手が出るほど欲しいはず。あまり目立った使い方はしない方が身のためです。

革命度: ★★★☆☆

国会中継のさなかにペコペコバッタを放てれば、革命が起こるかもしれません。清廉潔白な政治家などいないでしょうから。

まとめ

ペコペコバッタを使うと後味の悪い思いをしそうで、どうにも食指が動きません。ただ、頑として謝らない人を一度謝らせたい、という気持ちも無きにしも非ず。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、ペコペコバッタ優先度は星1つです。

道具名称:
ペコペコバッタ
原作初出:
コミックス第1巻「ペコペコバッタ」
カテゴリ:
「へ」から始まるもの / コミックス第1巻 / 人心掌握
公開日:
2014年06月06日
更新日:
2017年06月22日

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