のび太がドラえもんになにやら話しかけているけれど、隣の家が爆音で音楽を流しているせいで、うるさくて聞き取れません。
そこでドラえもんはひみつ道具の“吸音機”を取り出しました。
ドラえもんの吸音機は、音を吸い込む機械です。これに専用の缶をセットすると、前方の音をラッパ型ホーンから吸い込んで缶に詰めて、聞こえなくします。
缶を外すと動作が停止します。使った缶は「音の缶詰め」になって、これを飲むと、入っていた音が体の奥から鳴り響きます。
缶の詳細な仕様は不明です。当ブログでは「容量は有限で、いっぱいになると吸い込めなくなる」「音を外に出せば再利用できる」と仮定します。
近隣住人との騒音トラブル、嫌ですよね。できるだけ早急に、そして穏便に解決したい。そこで吸音機です。
吸音機なら、相手方とのやりとりが不要だから、もめる心配がありません。缶をセットするだけで即解決します。
ただし缶にたまった音を定期的に捨てないといけません。その際にうるさい思いをするんじゃ元も子もないので、なにか工夫が必要です。
うーん、これは面倒だ。「吸音」じゃなくて、「消音」なら良かったのに!
吸音機で缶に詰めたうるさい音をのび太がうっかり飲んで、大変な目に遭いました。のび太みたいな超弩級のうっかりさんが誤飲しないように、缶の保管方法にはいちおう気をつけましょう。
「吸音機で缶に詰めた音を人に飲ませる」ことは、どんな音であれ迷惑です。
体の奥から鳴り響く音が「工事現場の騒音」ならあまりのやかましさにダウンするだろうし、「ありったけの罵詈雑言や卑猥な言葉」なら自分の頭がおかしくなったかと錯乱するでしょう。
後者は周りの人からも「なにかに取り憑かれておかしくなった人」のように思われるだろうから、怖がられて距離をおかれるようになるかもしれません。
吸音機は「その場に届いた音」だけを吸い込みます。部屋の窓辺に外向けに置いて、外からの音を聞こえなくしても、外では相変わらず音がしています。
プライベート空間で吸音機を使う分には、他人に知られることはないでしょう。
「特定の音を聞こえなくする」という効力は応用範囲が広く、多くの現場で求められるものです。
しかし吸音機が1台あっただけじゃあ社会は別段変わりません。
新型コロナ感染症の拡大によって在宅時間が増えたことで、騒音トラブルも増えたそうです。
マナーやルールを守っていても、音はなにかしら出るし、隣で建築工事が始まるなどの避けられない騒音もあります。特に日本の都心部では、法定ぎりぎりの距離で立ち並んでいる住宅も珍しくありません。
騒音を手軽に解消できる吸音機のニーズは間違いなく高いでしょう。とはいえ、これが「一番欲しいひみつ道具」なのかと考えると……。
というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、吸音機の優先度は星
つです。