もしも「吸音機」をもらったら

のび太がドラえもんになにやら話しかけているけれど、隣の家が爆音で音楽を流しているせいで、うるさくて聞き取れません。

そこでドラえもんはひみつ道具の“吸音機”を取り出しました。

機能と効果

ドラえもんの吸音機は、音を吸い込む機械ですこれに専用の缶をセットすると、前方の音をラッパ型ホーンから吸い込んで缶に詰めて、聞こえなくします。

缶を外すと動作が停止します。使った缶は「音の缶詰め」になって、これを飲むと、入っていた音が体の奥から鳴り響きます。

缶の詳細な仕様は不明です。当ブログでは「容量は有限で、いっぱいになると吸い込めなくなる」「音を外に出せば再利用できる」と仮定します。

有用性: ★★☆☆☆

近隣住人との騒音トラブル、嫌ですよね。できるだけ早急に、そして穏便に解決したい。そこで吸音機です。

吸音機なら、相手方とのやりとりが不要だから、もめる心配がありません。缶をセットするだけで即解決します。

ただし缶にたまった音を定期的に捨てないといけません。その際にうるさい思いをするんじゃ元も子もないので、なにか工夫が必要です。

うーん、これは面倒だ。「吸音」じゃなくて、「消音」なら良かったのに!

危険性: ★☆☆☆☆

吸音機で缶に詰めたうるさい音をのび太がうっかり飲んで、大変な目に遭いましたのび太みたいな超弩級のうっかりさんが誤飲しないように、缶の保管方法にはいちおう気をつけましょう。

悪用度: ★★★☆☆

「吸音機で缶に詰めた音を人に飲ませる」ことは、どんな音であれ迷惑です。

体の奥から鳴り響く音が「工事現場の騒音」ならあまりのやかましさにダウンするだろうし、「ありったけの罵詈雑言や卑猥な言葉」なら自分の頭がおかしくなったかと錯乱するでしょう。

後者は周りの人からも「なにかに取り憑かれておかしくなった人」のように思われるだろうから、怖がられて距離をおかれるようになるかもしれません。

秘匿性: ★★★★☆

吸音機は「その場に届いた音」だけを吸い込みます。部屋の窓辺に外向けに置いて、外からの音を聞こえなくしても、外では相変わらず音がしています。

プライベート空間で吸音機を使う分には、他人に知られることはないでしょう。

革命度: ★☆☆☆☆

「特定の音を聞こえなくする」という効力は応用範囲が広く、多くの現場で求められるものです。

しかし吸音機が1台あっただけじゃあ社会は別段変わりません。

まとめ

新型コロナ感染症の拡大によって在宅時間が増えたことで、騒音トラブルも増えたそうです。

マナーやルールを守っていても、音はなにかしら出るし、隣で建築工事が始まるなどの避けられない騒音もあります特に日本の都心部では、法定ぎりぎりの距離で立ち並んでいる住宅も珍しくありません。

騒音を手軽に解消できる吸音機のニーズは間違いなく高いでしょう。とはいえ、これが「一番欲しいひみつ道具」なのかと考えると……。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、吸音機の優先度は星2つです。

道具名称:
吸音機
原作初出:
『ドラえもん』第15巻「騒音公害をカンヅメにしちゃえ」
カテゴリ:
「き」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第15巻 /
公開日:
2021年02月19日

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