もしも「スナオン」をもらったら

自分の気持ちに素直になれなくて、一歩踏み出せずにいる。そんなときに役立つはずのひみつ道具なのに、例のごとくあさっての方向に的を外しているのが“スナオン”です。

機能と効果

ドラえもんのスナオンは、人を素直にさせる錠剤です。これを服用すると、なんでも素直に信じて、疑うことを知らない人柄になります。

用量は1回1錠。効果の持続時間と内容量は不明です。当サイトでは、持続時間は8時間、内容量は90錠と仮定します。

ちなみに、真逆の性質をもつ“ギシンアンキ”の効力を打ち消す作用もあります。

有用性: ★☆☆☆☆

「人を信じる心」が尊いものとされるのは、その背景にそれ相応の覚悟があるからでしょう。なんの背景もなく無条件に人を信じても、それはただの思考停止です。

スナオンによる信じる心は無垢というよりも無知。薬品で生じた薄っぺらな信念に価値は見いだせません。

危険性: ★★★☆☆

スナオンが掲げる「素直」というのは聞こえのいい建前で、実際には判断力が著しく低下した無防備な心境に陥るだけです。

その効果中に悪意ある人に遭遇したら、いいようにカモられるでしょう。最悪の場合、全財産を巻き上げられてしまうかもしれません。

悪用度: ★★★★★

相手にスナオンを飲ませれば、こちらの言うことをなんでも信じさせられます。それはつまり意のままに操れるということ。スナオンはとても恐ろしい薬です。

秘匿性: ★★★★★

ある日突然、誰かが極端に信じやすい性格になったとして、それがドラえもんのひみつ道具のせいだと、いったいどうして気づくというのでしょう。

革命度: ★★☆☆☆

独裁国家やカルト教団との親和性が高いであろうスナオンは、組織的に運用された場合の社会的影響は計り知れません。ただしそれは量産されたらの話。ドラえもんからもらった1瓶だけでは、大事を成すには到底足りません。

まとめ

スナオンが文字どおり自分の気持ちに素直になれるひみつ道具だったら、人生の局面で助けとなることも多かったでしょう。

けれどスナオンの効力は「物事をいっさい疑わなくなる」というもので、素直とはずいぶんズレています。それでは役立つどころか、トラブルの元です。

というわけで、もしもドラえもんのひみつ道具を一つもらえるなら、スナオンの優先度は星0.5つです。

道具名称:
スナオン
原作初出:
『ドラえもん』第9巻「世の中うそだらけ」
カテゴリ:
「す」で始まるひみつ道具 / 『ドラえもん』第9巻 / 人心掌握
公開日:
2017年08月02日

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